劇場公開 2023年4月22日 ユーロスペース他 上映情報
黄泉の国からヒトラー、スターリン、チャーチル、ムッソリーニが蘇る!
監督・脚本:アレクサンドル・ソクーロフ
出演:アドルフ・ヒトラー、ヨシフ・スターリン、ウィンストン・チャーチル、ベニート・ムッソリーニ ※全て本人(アーカイヴ映像)
2022年/ベルギー・ロシア/78分/日本版字幕:松岡葉子
ジョージア語・イタリア語・フランス語・ドイツ語・ロシア語・英語
ウェブデザイン:竹内健太郎/資料作成協力:松岡葉子/梶山祐治
『エルミタージュ幻想』『太陽』などで知られるロシアの鬼才アレクサンドル・ソクーロフが、冥界を舞台に神の審判を受けるため天国の門を目指してさまよう独裁者たちの姿を描く。アーカイヴ映像を利用し、全編本人が出演!
これはソクーロフによる悪夢かおとぎ話か。過去の独裁者の姿、言動を通じて、現代の世界に警鐘をならしている?
深い霞におおわれた灰色の廃墟の中で、ヒトラー、スターリン、チャーチル、ムッソリーニなど第二次世界大戦時に世界を支配していた独裁者たちがうごめいている。煉獄の晩餐が始まると、お互いの悪行を嘲笑、揶揄し、己に陶酔。冥界を舞台に、神の審判を受けるため20世紀の独裁者たちが天国の門を目指しさまよう。その姿が、時には滑稽にシュールに、現代をも示し、人類の未来を予感させる。
歴史上まったくあり得ない、親しげに語り合い、笑い合い、罵り合う独裁者たちの姿は、気の遠くなるような量のアーカイヴ素材から選びだされたもので構築されている。すべて実際の映像が使われ、独裁者たちが語る言葉は、それぞれ過去の手記や実際の発言の引用から作られた。完成まで6年の歳月を要したという本作は、ソクーロフの近現代史への挑戦である。
登場するヒトラー、スターリン、チャーチル、ムッソリーニらの映像は、過去のアーカイブ映像をデジタルテクノロジーでよみがえらせ、4人が話すドイツ語、イタリア語、ジョージア語、英語は、現代の俳優が語っている。
ロシアによるウクライナ侵攻の年(2022)に完成した本作は、カンヌ国際映画祭でのお披露目が数時間前に中止になり、ロカルノ国際映画祭コンペ部門に出品された。
風変りな映像とストーリー。全編本人たちの映像というのがすごい! よく探し出してきたなと思う。映像は実物でも口から出るセリフは創造したもの。意味があるのかないのかわからないこともつぶやく。筋書きとか筋の通ったものとかはない。20世紀の歴史を左右した4人を冥界から引っ張り出してきて、語らせたかったのでしょうが、もう少し、現代に対して突っ込んだセリフが欲しかったかな。
キリストやナポレオンまで登場しますが、こちらはもちろん作った映像。彼にとって第二次世界大戦は過去ではなく、また冷戦終結という転機もない。独裁者の季節がずっと続いている世界なのでしょう(暁)。
宣伝・お問合せ:スリーピン 原田/
各地域配給:ミカタ・エンタテインメント 大森/
提供・配給:パンドラ
2023年04月23日
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