2023年04月09日

幻滅(原題:Illusions perdues)

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監督・脚本:グザヴィエ・ジャノリ
原作:オノレ・ド・バルザック
脚色・台詞:グザヴィエ・ジャノリ、ジャック・フィエスキ
撮影:クリストフ・ボーカルヌ – AFC SBC
美術:リトン・デュピール=クレモン – ADC
衣装:ピエール=ジャン・ラロック - AFCCA
出演:バンジャマン・ヴォワザン(リュシアン)、セシル・ド・フランス(ルイーズ)、ヴァンサン・ラコスト(ルストー)、グザヴィエ・ドラン(ナタン)、サロメ・ドゥワルス(コラリー)、ジェラール・ドパルデュー、ジャンヌ・バリバー、ジャン=フランソワ・ステヴナン

19世紀前半のフランス。宮廷貴族が復活し、自由と享楽的な生活を謳歌していた。田舎に住む青年リュシアンは、文学を愛しいつか自分の詩集を出すことを夢みていた。貴族の人妻ルイーズは愛のない結婚をし、心の空白を埋めるように若いリュシアンを愛した。駆け落ち同然で2人はパリに向かう。憧れのパリに有頂天になるリュシアンは、あまりにも世間知らずで笑いものになってしまう。新聞記者のルストーの後押しで、記事を書く仕事にありついた。

文才を生かす道を見つけたリュシアンですが、貴族への憧憬も手放せません。母方の名前を名乗ることにこだわり、金銭感覚もなく破滅の道をたどってしまいます。若気の至りと言ってしまいたいところですが、人生は短く一度限り。上り詰めたかに見えても、そこは空洞でした。
愛情から彼を甘やかしてしまったルイーズとコラリー。引きずり込んだだけで正しく導けなかったルストーには、嫉妬心もあったでしょう。唯一、彼に友情を示したナタンをリュシアンは大切にできませんでした。グザヴィエ・ドラン良い役回りです。
バルザック原作のメディアの裏側を見せるものですが、その駆け引きや金儲け第一主義がずっと昔のこととは思えません。衣装と舞台(衣装さん美術さん素晴らしい!)を変えたなら、現代劇にもなります。タイトルの「幻滅」は誰が誰に?誰が何に?
視点を変えたら違う景色が見えるはず。(白)


2021年/フランス/カラー/シネスコ/149分
配給:ハーク
(C)2021 CURIOSA FILMS - GAUMONT - FRANCE 3 CINEMA - GABRIEL INC. - UMEDIA
https://www.hark3.com/genmetsu/
★2023年4月14日(金)ロードショー
posted by shiraishi at 02:56| Comment(0) | フランス | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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