2023年03月11日

The Son 息子 (原題:The Son)

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監督・脚本・原作戯曲・製作:フロリアン・ゼレール『ファーザー』
製作総指揮:ヒュー・ジャックマン
共同脚本:クリストファー・ハンプトン
撮影:ベン・スミサード
音楽:ハンス・ジマー
出演:ヒュー・ジャックマン(ピーター)、ローラ・ダーン(ケイト)、バネッサ・カービー(ベス)、ゼン・マクグラス(ニコラス)、アンソニー・ホプキンス(ピーターの父)

弁護士として順風満帆の日々を送っていたピーターに、別れた妻ケイトから連絡があった。17歳の息子ニコラスが登校していないという。「パパと暮らしたい」と望む息子を、再婚相手のベスと赤ん坊のいる家庭に迎え入れることになった。ニコラスは新しい高校に転入したものの、やはり出かけはするが登校できず、ピーターは何度も話し合うが、話は平行線のまま。ニコラスは、自分と母を捨てたピーターと不倫の末結婚したベスに辛辣な言葉をぶつける。

フロリアン・ゼレール監督作『ファーザー』に続く「家族 3 部作」の第 2 部です。第3部も戯曲からでしょうか。今から楽しみです。内容は真実味があればあるほど、楽しくはありませんが。
脚本に惚れ込んだヒュー・ジャックマンが、出演を熱望し、制作にもあたっています。『ファーザー』で 認知症を患う父を演じて2 度目のアカデミー賞受賞の名優アンソニー・ホプキンスが、ピーターのトラウマの元になっている厳格な父親役。親子似てしまうんですね。親子3代の確執の連鎖は、断ち切れるのか、乗り越えられるのか。
新鋭ゼン・マクグラスが演じるニコラスが繊細で傷つきやすく痛々しいです。
親は生れた子どもを抱いたそのときから、すぐに親の役割を果たさねばなりません。初めてでも何でも容赦なく時間が過ぎて、親が親らしくなるより早く子どもは成長していきます。兄弟姉妹がたくさんいて、親類縁者やご近所とのかかわりも密だった昔と違い、親も子もマネしたいモデルもなければ、経験も少ないこのごろです。戸惑うこと、孤立して悩みが深くなるのも無理ありません。学校に無理して行かなくても大丈夫、それでもちゃんと生きていける、と大人が言ってあげたい。どうか同じ轍を踏まないで。(白)


両親の離婚が、いかに子の心に影響を及ぼすかを突き付けられました。
ニコラスは、学校に行かないという形で意思表示していたのが、ついにはっきりと父が母を裏切ったことについて不満をぶちまけます。父の再婚相手にも問いただします。だからといって、大人にもそれぞれの人生があります。親である以上、自分の決断が子どもにどんな影響を与えるのか考えてケアする必要はあるでしょう。
日本でも十代の自殺が増えていますが、社会がどう対応すればいいのかも考えさせられました。本作では、精神科の功罪も見せつけられました。難しいですね・・・ (咲)


2022年/イギリス・フランス合作/カラー/スコープサイズ/123分
配給:キノフィルムズ
(C)THE SON FILMS LIMITED AND CHANNEL FOUR TELEVISION CORPORATION 2022 ALL RIGHTS RESERVED.
公式HP:https://www.theson.jp/
公式Twitter:https://twitter.com/TheSon_jp
★2023年3月17日(金)TOHO シネマズ シャンテほか 全国ロードショー
posted by shiraishi at 20:01| Comment(0) | アメリカ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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