2023年03月10日

赦し   原題(英語題):DECEMBER

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(C)2022 December Production Committee. All rights reserved


監督・編集:アンシュル・チョウハン(『東京不穏詩』『コントラ』)
脚本:ランド・コルター
撮影:ピーター・モエン・ジェンセン
音楽:香田悠真
出演:尚玄、MEGUMI、松浦りょう、藤森慎吾、生津徹、成海花音、清水拓藏、真矢ミキ

作家の樋口克(尚玄)は、7年前に高校生だった娘をクラスメートに殺されて以来、執筆もせず酒浸りの日々だ。ある日、裁判所から懲役20年の刑に服している加害者、福田夏奈(松浦りょう)の再審決定の通知を受け取った克は、事件後に別れた妻の澄子(MEGUMI)のもとを訪ねる。澄子は、グループセラピーで出会った岡崎直樹(藤森慎吾)と再婚している。刑の軽減を阻止するために証言台に立つという克に対し、新たな人生を歩みだしている澄子は「過去に囚われたままでは駄目だと思う」と諭す。
何度か法廷に赴いた二人は、やがて夏奈が殺人に至った動機を振り絞るように明かすのを聞く。澄子は裁判から身を退くが、怒りの感情に駆られた克はある行動に出る・・・

高校生の時に同級生を殺してしまった夏奈を演じた松浦りょうさんの存在感がとにかく凄すぎて、チラシを観ただけで、どんな映画なのかと興味を惹かれました。
2011年から東京を拠点に活動しているインド出身のアンシュル・チョウハン監督。長編1作目の『東京不穏詩』は、インド人の監督作品だからと期待したのですが、実はよくワケのわからない作品でした。2作目の『コントラ』で、前作と作風が違って、おやっと思っていたのですが、本作『赦し』は、また違った趣で驚かされました。なんといっても松浦りょうさんを起用したのが、この映画を引き立たせていますが、怒りを抱えた克役の尚玄さん、娘を殺された悲しみを振り切って前を向いて生きようとしている澄子役のMEGUMIさん、そして、未成年への重刑の再審について丁寧に説明する裁判官を演じた真矢ミキさん、それぞれが自然体の演技で好感が持てました。
娘を殺され、それがもとで別れることになってしまった夫婦。再審で顔を合わすことになった二人の複雑な思いも考えさせられました。人生を狂わした夏奈を赦すことはできるのか・・・ 動機が納得できるものであったとしても、当事者にとって「赦す」ことはなかなか難しいのではないでしょうか。忘れることで赦すというしかないでしょうか・・ (咲)



★公開記念トークイベント★
3/18(土)14:10~の回上映終了後
会場:ユーロスペース
登壇(予定):アンシュル・チョウハン監督、尚玄、松浦りょう、藤森慎吾

3/18(土)16:40~の回上映終了後
会場:アップリンク吉祥寺
登壇(予定):アンシュル・チョウハン監督、尚玄、MEGUMI、松浦りょう

3/25(土)
会場:kino cinéma横浜みなとみらい
登壇(予定):アンシュル・チョウハン監督、松浦りょう


2022年/日本/日本語/カラー/2:1/5.1ch/98分
配給:彩プロ
公式サイト:https://yurushi-movie.com/
★2023年3月18日(土)よりユーロスペースほか全国順次公開


posted by sakiko at 22:17| Comment(0) | 日本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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