2023年02月19日
アラビアンナイト 三千年の願い 原題:Three Thousand Years of Longing
監督・脚本:ジョージ・ミラー
共同脚本:オーガスタ・ゴア
原作:A・S・バイアット「The Djinn in the Nightingale's Eye」
製作:ダグ・ミッチェル、ジョージ・ミラー
出演:イドリス・エルバ、ティルダ・スウィントン
物語論(ナラトロジー)の専門家、アリシア・ビニー博士は、学会での講演のためトルコのイスタンブールを訪れる。 バザールで青と白の螺旋模様の入った「ナイチンゲールの目」というガラスの小瓶を買い、ホテルの部屋で瓶を洗っていると、蓋が外れて、中から巨大な黒い魔人〈ジン〉が現れる。「解放してくれたお礼に3つの願いを叶えてあげよう」と言われる。そうすれば呪いが解けて自分も自由の身になれるというのだ。 だが物語の専門家アリシアは、その誘いに疑念を抱く。 願い事の物語はどれも危険でハッピーエンドがないことを知っていた。 魔人は彼女の考えを変えさせようと、 紀元前からの3000年に及ぶ自身の物語を語り始める。
最初は、旧約聖書にあるソロモン王とシバの女王の物語。全身全霊で女王に尽くしていた魔人は、魔術師でもあったソロモン王によって真鍮の瓶に幽閉され紅海に捨てられ、2500年もの間、漂い続けた。
16世紀中頃、真鍮の瓶は漁師に引き揚げられ、オスマン帝国のスレイマン大帝の愛妾グルタンの手に渡る。瓶の中から現れた魔人に、大帝の長男ムスタファ皇子の心をつかみたいと願い、愛し合うようになる。だが、スレイマンのお気に入りの側室ヒュッレムは自分の息子を王位に就かせたいと陰謀を企て、結果、ムスタファは大帝に殺されてしまう。グルテンも大帝の命で殺されてしまい、魔人は再び小瓶の中に幽閉される。
100年後、1620年、故アフメト1世の皇子で11歳にして皇位を継いだムラト4世の時代。亡きアフメト1世の妃キョセムはムラトの弟イブラヒムを皇位継承者として守るため、檻に入れ豊満な巨女たちをあてがう。ムラト4世が酒浸りで亡くなり、皇位についたイブラヒムのお気に入りの巨女“砂糖姫”が、グルテンが隠していた小瓶を発見。魔人は、何か願いをと懇願するが、姫の怒りを買って瓶ごとボスポラス海峡に沈められてしまう。
そして次なる魔人の運命は・・・・
「アラジンと魔法のランプ」のような物語を想像していたのですが、かなり違いました。魔人が語る身の上話に出てくるオスマン帝国の妃ヒュッレムやキョセムは、トルコのドラマ「オスマン帝国外伝」で馴染み深い女性たち。皇位の後継ぎを巡る陰謀が渦巻いていた時代でした。シバの女王から始まる壮大な歴史絵巻かと思いきや、いつしか、魔人とアリシアの大人の恋物語に。それが、イスタンブールのベラパレスホテルのアガサ・クリスティーの部屋で繰り広げられるという次第。そこで話は終わりませんので、結末をどうぞお楽しみに! (咲)
2022年/オーストラリア・アメリカ/英語・トルコ語/カラー/スコープサイズ/5.1ch/108分/PG12
字幕翻訳:松浦美奈
配給:キノフィルムズ
公式サイト:https://www.3wishes.jp/
★2023年2月23日(木・祝) TOHOシネマズ 日比谷ほか 全国ロードショー
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