2023年02月12日
TOCKA タスカー
監督:鎌田 義孝
脚本:加瀬仁美、鎌田義孝
撮影:西村博光
出演:金子清文(谷川章二)、菜葉菜(本多早紀)、佐野弘樹(大久保幸人)、松浦祐也、川瀬陽太、足立正生
北海道、オホーツク海沿岸の街。ロシア人相手の中古電器店を営んでいる谷川章二は、経営に行き詰まり、妻子に去られ、生きる意欲をなくしていた。自殺では娘に保険金を残せないと、誰か自分を殺してくれないかと自殺サイトに投稿する。
本多早紀は夢破れて東京を引き上げ、ふるさとに戻ってきた。結婚するつもりだった相手とも別れて一人になったが、本当のことを母に打ち明けるつもりもない。
廃品回収会社に勤める大久保幸人は、詐欺まがいの仕事に嫌気もさしていたが、病気の母や妊娠中の妹のためにやめることもできない。収入のないときは、よその家から灯油を盗んで売ってのその日暮らしを続けている。
自殺サイトで知り合った章二と早紀が知り合い、深夜の空き地である作業中に不法投棄にやってきた幸人と鉢合わせしてしまった。
まだ生きたいと願う人の映画の後に、死にたいと思う人が主人公の作品紹介を書いています。何もかも無くしたと思ってもまだ命はあるのに。絶望すると”あるもの”に気づく余裕がなくなるんですね。世の中ままなりません。
オホーツク海沿岸は延々と道路が続き、人や車もまばらです。冬はいっそう寂しいのですが、都会に慣れた人の目には自然が豊かで雄大とも見えます。そんな風景の中で、詰んでしまった3人が出会い、保険金を残して死にたいという谷川章二の願いを果たそうとします。悲劇も過ぎれば滑稽さが見えてきて、ところどころ突っ込みたくなります。菜葉菜さん佐野弘樹さんが金子清文さんの闇を照らす光(?)になっていました。
章二の父役は昨年『REVOLUTION+1』が公開になった(3月11日より再上映)足立正生監督!どんな関わりでここに?
タイトルの「TOCKA(タスカー)」はロシア語で「憂鬱」「憂愁」「絶望」を意味し、その反意として「憧れ」「未だ見ぬものへの魂の探求」などの解釈がある、そうです。(白)
2022年/日本/カラー/119分
配給:鎌田フィルム
(C)2022 KAMADA FILM
https://tocka-movie.com/
★2023年2月18日(土)よりユーロスペースほか順次ロードショー
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