2023年2月10日(金)より新宿ピカデリー他全国公開 劇場情報
1930年代の満州を舞台に、張芸謀が初めて挑むスパイサスペンス
監督:チャン・イーモウ
脚本:チュアン・ヨンシェン チャン・イーモウ
撮影:チャオ・シャオティン
出演
チャン・イー:張憲臣(チャン・シエンチェン)
ユー・ホーフェイ:周乙(ジョウ・イー)
チン・ハイルー:王郁(ワン・ユー)
リウ・ハオツン:小蘭(シャオラン)
朱亜文(チュウ・ヤーウェン):楚良(チュー・リャン)
リー・ナイウェン
ニー・ダーホン
ユー・アイレイ
1934年冬の満州国のハルビン。ソ連で特殊訓練を受けた男女4人の共産党スパイ・チームが、極秘作戦“ウートラ計画”を実行するため現地に潜入。ウートラ計画とは、秘密施設から逃れた同胞を国外に脱出させ、日本軍の蛮行を世界に知らること。だが、仲間の裏切りで、そのミッションは共産党の天敵である特務警察に察知されてしまった。特務の執拗な追跡と罠により、ついにはリーダーの張憲臣(チャン・シエンチェン)が特務の手に落ちてしまう。残された王郁(ワン・ユー)、楚良(チュー・リャン)、小蘭(シャオラン)の3人と、彼らの協力者となった周乙(ジョウ・イー)は、八方塞がりの危機を突破し、命がけのミッションを完遂できるのか…。
*ウートラとは(ロシア語で"夜明け"の意味)
監督は、1987年『紅いコーリャン』でデビュー、ベルリン国際映画祭金獅子賞を受賞し、中国第5世代の才能として世界的な脚光を浴びた張芸謀(チャン・イーモウ)。『紅夢』『上海ルージュ』『初恋のきた道』その後も色彩(特に紅色)の魔術師と呼ばれる作品群を作りだし、高度な芸術性と娯楽性に富んだ作品群を世に送り出してきた。さらに、2008年夏季と2022年冬季の北京オリンピックで開会式、閉会式の総監督を務めるなど活躍をしてきた張芸謀監督が初めてスパイ・サスペンスに挑んだ。
雪のハルビンを舞台に、列車内の攻防、市街地での激烈なチェイス、銃撃戦など息づまる見せ場が満載のスタイリッシュな映像の数々。
スパイたちの信念と特務警察の威信をかけた騙し合いの果てにたどり着いた、崖っぷちの彼らの運命は…。中国のアカデミー賞と言われる2021年金鶏奨で監督賞、主演男優賞(チャン・イー)、撮影賞を受賞。
出演は『山河ノスタルジア』や、張芸謀監督前作の「ワン・セカンド 永遠の24フレーム」に主演のチャン・イー、『わたしは潘金蓮じゃない』のユー・ホーフェイ、『ドリアン ドリアン』のチン・ハイルー、『1950 鋼の第7中隊』のチュー・ヤーウェン、『ワン・セカンド 永遠の24フレーム』のリウ・ハオツン。
張芸謀監督が手掛けた「スパイ・サスペンス」映画。いかにも張芸謀監督らしいスタイリッシュな映画。雪をうまく使った映像は、張芸謀監督お得意の紅色を使ったものとは違い、白黒の対比という感じで、色彩のシンプルさと、力強さ、闇の世界を表していたように思います。
工作員(スパイ)の任務に対する信念と中国特務警察の威信をかけた戦いが描かれるわけだけど、日中戦争の時代なのに、この映画には日本人は一人も出てこない。共産党の工作員と中国の特務警察とのせめぎ合い。あくまで中国人同士の戦いが描かれる。中国特務警察というのが日本の手先なのか? その辺がよくわからなかった。それはなぜなのか。それによって得られるものはなんなのか。
『ワン・セカンド 永遠の24フレーム』の時は、まだ子供だったリウ・ハオツン。やっぱりスパイとしては幼すぎるでしょ。でも、日本軍も沖縄戦の時、子供がスパイに仕立て上げられたということがあったから、ま、ありか。
最後、これまた張芸謀らしい。スパイ・アクション映画ながら、チャンとワン・ユー夫妻の人情味ある部分が描かれる(暁)。
写真クレジット:©2021 Emperor Film and Entertainment (Beijing) Limited Emperor Film Production Company Limited China Film Co., Ltd. Shanghai Film (Group) Co.,Ltd. All Rights Reserved
2021年製作/120分/PG12/中国
配給:アルバトロス・フィルム
2023年02月05日
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