2022年12月24日
フラッグ・デイ 父を想う日(原題:Flag Day)
監督:ショーン・ペン
原作:ジェニファー・ボーゲル
脚本:ジェズ・バターワース、ジョン=ヘンリー・バターワース
撮影:ダニー・モダー
音楽:ジョセフ・ヴィタレッリ
出演:ディラン・ペン(ジェニファー・ヴォーゲル)、ショーン・ペン(ジョン・ヴォーゲル)、ジョシュ・ブローリン(ベック)、ホッパー・ジャック・ペン(ニック・ヴォーゲル)、
1992年、アメリカ最大級の贋札事件の犯人ジョン・ヴォーゲルが裁判を前に逃亡した。事件を聞いた娘のジェニファーは、それでも「父が大好き」とつぶやく。ジョンの妻は早くからジョンの素顔を知り、家庭は崩壊していたが、娘のジェニファーにとって父は特別だった。思い出すのは父との楽しい思い出ばかり。
ジャーナリストのジェニファー・ヴォーゲルが書いた原作を映画化。大好きだった父が「犯罪者」だったという事実を知りますが、それでも父を想う気持ちは変わらなかったというストーリー。この父と娘、息子を演じるのが、こういう役がものすごく似合うショーン・ペンと、その実の娘ディラン・ペン、息子ホッパー・ジャック・ペン。ディランは母のロビン・ライト似、ホッパーは父似です。
外では犯罪者だけれども、家では優しいパパだったというのは今も昔もありそうです。また、その逆も。フラッグ・デイに生まれて、自分が特別に祝福されていると思い込んだ父、そうとしか生きられなかった父、大人になった娘は父の罪も含めて愛し、思い出を書き留めました。人を傷つけたり、殺めたりではないことが救いです。
第74回カンヌ国際映画祭コンペティション部門出品。(白)
父が刷った偽札が精巧な印刷と聞かされ、触ってみて「pretty」とつぶやくジェニファーの表情がなんともいいです。犯罪者であっても、娘にとっては大事な父。血のつながってない母にとっては、とんでもない悪党だとしても、娘の思いは違うでしょう。
それにしても、服役中に身に着けた印刷技術で偽札を作ってしまうとは!
フラッグ・デイに生まれて、誕生日は毎年、国中の皆からお祝いされている気持ちだった父。私の母の誕生日は1月15日。かつては成人の日で、まさに皆がお祝いしてくれている気分と嬉しそうにしていたのを思い出します。誕生日が旗日(祝日)の人たちは、きっと皆、同じ思いで誕生日を過ごしているのではないでしょうか。 映画の中で、ここぞという場面でショパンのノクターンが流れてきたのも、なんとも切なかったです。(咲)
2021年/アメリカ/カラー/112分
配給:ショウゲート
(C)2021 VOCO Products, LLC
https://flagday.jp/
★2022年12月23日(金)より公開中
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