2022年12月11日

チーム・ジンバブエのソムリエたち 原題:Blind Ambition

2022年12月16日(金)~よりヒューマントラストシネマ有楽町、新宿シネマカリテほか全国順次ロードショー! その他の劇場情報 

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©2020 Third Man Films Pty Ltd


監督・製作:ワーウィック・ロス、ロバート・コー
製作総指揮:ロス・グラント、ニール・ハーベイ、エイドリアン・マッケンジー、キャメロン・オライリー、マデリーン・ロス、ポール・ウィーガンド、ジョージ・ハミルトン、イザベル・スチュアート
脚本:ワーウィック・ロス、ロバート・コー、ポール・マーフィ、マデリーン・ロス
撮影:スコット・ムンロ、マーティン・マクグラス
編集:ポール・マーフィ
音楽:ヘレナ・チャイカ
出演:ジョゼフ、ティナシェ、パードン、マールヴィン

ワインのない国からやってきた難民たちが、世界最高峰のブラインドテイスティング大会に挑む

“ワイン真空地帯”のジンバブエ共和国から南アフリカに難民として逃れ、ソムリエとなり「世界ブラインドワインテイスティング選手権」に挑戦する姿を追った。南アフリカのレストランで働くジンバブエから来た彼らは、ソムリエになった。この大会に挑戦する南アフリカチームの4人を選ぶ大会で、上位にジンバブエ出身のジョゼフ、ティナシェ、パードン、マールヴィンの4人が入り、南アフリカの選抜者は、ジンバブエチームを作った。
“チーム・ジンバブエ”を迎え撃つのは、“神の舌を持つ”23カ国の一流ソムリエたち。先進国の白人が多数を占める世界に、故郷ジンバブエの威信をかけて乗り込んだ4人は、クラウドファンディングの支援を受けてワインの聖地フランスのブルゴーニュにたどり着いたものの、限られた経費で雇ったコーチは久し振りの晴れ舞台で大暴走。“チーム・ジンバブエ”の波乱に満ちたスリリングなワインバトルの結末はいかに!?

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©2020 Third Man Films Pty Ltd

公式HPより
私たちは、彼らの旅路と原動力をもっと知りたくなりました。そして、それは難民の暮らしや、彼らが新たな社会で直面する問題、そして生まれた国から追い出された人々にとって「家(ホーム)」とは何かということに光を当てる物語を作るチャンスでもあったのです。彼らのストーリーは、文化や人種の壁を取り除き、橋渡しをするための、より深い探求に繋がるのだと強く感じました。
彼らが南アフリカで認められ成功することが出来たのは、自分自身と家族のために、より良い暮らしを実現しようという、非常に強いポジティブ思考の賜物。そして、彼らのジンバブエへの強い愛にも心動かされました。選手権出場を通して、母国ジンバブエの未知なる可能性を世界に示すことが出来たし、そしてこのスポットライトで、抑圧的な政権の下で生きてきたジンバブエの若者たちに勇気を与えたい、と彼らは強く願っていました。この映画は単なる大会への挑戦だけでなく、希望と変革の物語なのです。難民の暮らしや、新たな社会で直面する様々な問題。生まれた国から追い出された人々にとって「家(ホーム)」とは何かということに光を当てるチャンスに巡り合った。
『世界一美しいボルドーの秘密』の監督ワーウィック・ロスと製作総指揮ロバート・コーが共同監督を務め、チーム・ジンバブエのワイナリーツアーの様子や選手権の舞台裏に密着。トライベッカ映画祭とシドニー映画祭で観客賞を受賞。
トップソムリエが火花を散らす選手権会場にカメラが潜入し、大会への挑戦を描く。

ジンバブエは、ワインの生産も消費もほとんどない国。残忍なロバート・ムガベの政権から逃れるまで、ワインを味わったこともなかった4人は、ケープタウンの4大レストランのヘッドソムリエになった。
4人の明るいキャラクターは、ドキュメンタリーなのに笑いあり涙ありでエンターティメント色、大。彼らのジンバブエへの強い愛も描かれ、選手権出場を通して、母国ジンバブエの抑圧的な政権の下で生きている若者たちに勇気を与えられたらと彼らは願う。貧困、難民など、今日的な問いを投げ掛ける社会派作品でもある。
今年は11月、12月に日本、フランス、レバノン、そしてこの南アフリカとジンバブエ、フランスを舞台にしたドキュメンタリーと、5本ものワイン映画が公開されている。ワインに人生をかけている人々の姿が描かれ、伝統の継承や、新しいことへの挑戦のすばらしさを描きつつ、気候変動、戦争、貧困の問題をも観る人に問いかける。ワインを通じて世界のワイン文化を楽しみ、考えてみませんか(暁)。


ジンバブエと聞いて思い浮かんだのは、かつて南ローデシアと呼ばれていたアフリカ大陸南部の国であることと、大きなヴィクトリアの滝があることくらいでした。 『チーム・ジンバブエのソムリエたち』というタイトルを見て、え?ソムリエ?と、ぐっと興味を惹かれました。ジンバブエとソムリエがあまりにもかけ離れたものに感じたからです。
冒頭、「クムシャ」という言葉が、ショナ語で“ルーツ”や“故郷”という意味だけど、単なる場所じゃない、祖先の魂が宿んでいる心のよりどころと出てきました。ショナ語という言語があることを初めて知りました。ジンバブエ共和国の公用語の一つで、国の70%以上を占めるショナ族の言葉とのこと。
チーム・ジンバブエの4人のソムリエは、それぞれが大変な思いをして南アフリカに逃れてきた難民。ジョゼフは密入国業者にお金を払ったものの貨物列車に詰め込まれ蒸し焼き状態に。死を覚悟しましたが運よく南アフリカに。1995年以降、300万人以上のジンバブエの人たちが難民として出国しているそうです。国境で警官に撃たれたり、ワニに食われて命を落とす危険もあるのに! そういえばムガベ大統領という独裁者がいたという程度の記憶でしたので、本作を通じて、ジンバブエの独立後の状況の一端を知ることができました。
ワインを知らなかった4人が、南アフリカでソムリエとなり、旅費をクラウドファンディングで集めて、ワインテイスティング選手権に挑む姿に、夢を持てば叶うと勇気づけられました。そして何より、4人の故国ジンバブエへの愛と誇りに感銘を受けました。(咲)


『チーム・ジンバブエのソムリエたち』公式HP
日本語字幕:横井和子
2021年製作/ビスタ/5.1ch/96分
オーストラリア/英語・ショナ語・仏語
後援:ジンバブエ共和国大使館、一般社団法人日本ソムリエ協会
提供:ニューセレクト 配給:アルバトロス・フィルム

*参照 シネマジャーナルHP スタッフ日記
「11月、12月にワイン映画が5本も公開!」
http://cinemajournal.seesaa.net/article/494033795.html

今年、5本ものワイン映画を観て、ワインに興味を持ち、さっそく12月初めに3、4か所のワイナリーやワイン関係施設を訪ねてみました。そのレポートをまたスタッフ日記にも書きたいと思います。



posted by akemi at 21:05| Comment(0) | オーストラリア | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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