監督:井川広太郎
脚本:中野太 木田紀生
撮影監督:今井哲郎
アクション監督:園村健介
出演:北村有起哉(連城新次郎)、松角洋平(阿見恭一)、武イリヤ(ガルシア・ミチコ)、青木柚(佐藤翔)、高石あかり(石岡凛)、水石亜飛夢(小倉幹彦)古山憲太郎/ チェン・ショウコウ、川瀬陽太(笠原組長)、高川裕也( 辻原正義)、麿 赤兒(町内会長 安井茂雄)
連城新次郎は新宿に流れ着いた開店休業中の私立探偵。酒癖が悪く、ギャンブルと喧嘩に明け暮れている草臥れた中年男だ。顔なじみのヤクザの幹部・阿見から放火事件の調査を押し付けられる。阿見の笠原組と敵対する中国系マフィアのバレットが絡んでいるらしい。
同じころ日本生まれのフィリピン人のミチコから、急に姿を消したクルド人の友人を探してほしいと頼まれる。いつしか新次郎は、笠原組とバレットの抗争に巻き込まれていく。
北村有起哉さん演じる新次郎は、ヘビースモーカーでタバコが手放せません。今に肺と肝臓をやられそうです。ほどほどに。事務所もなく、喫茶店を根城にしているので町内に顔見知り多数。多国籍の人の集まる街で、両親が強制送還されて一人残されたミチコの生い立ちや、日本で暮らすことで出会う壁も語られます。「入管に行かなくてはならないのに、いなくなるなんて」というミチコの言葉に、これまで色々見てきた入管と不法滞在に関わる映画が浮かんできました。
情にもろく、金にならない人助けをしてしまう新次郎は、金属バットや鉄パイプで殴られたり、さんざん。アウトローですが、悪人ではありません。今もどこかにいてほしいキャラです。
新次郎と懇意の町内会長が高校生にかけた「人を簡単に線引きしちゃいけない」という言葉が沁みます。そうそう、新次郎の口癖は「もういいよ」でした。体を張った痛そうな攻防は園村健介アクション監督が手がけています。(白)
2022年製作/80分/G/日本
配給:マグネタイズ
(C)2022「終末の探偵」製作委員会
http://syumatsu-tantei.com/
★2022年12月16日(金)全国公開
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