2022年11月26日
月の満ち欠け
監督:廣木隆一
原作:佐藤正午
脚本:橋本裕志
撮影:水口智之
出演:大泉洋(小山内堅)、有村架純(正木瑠璃)、目黒蓮〈Snow Man〉(三角哲彦)、伊藤沙莉(緑坂ゆい)、田中圭(正木竜之介)、柴咲コウ(小山内梢)、菊池日菜子(小山内瑠璃)
小山内堅は仕事も家庭も順調だった。学生の頃に出会って結ばれた最愛の妻・梢(こずえ)と一人娘の瑠璃(るり)を失うなど思ってもみなかった。事故で一度に二人を失い、深い悲しみに沈んでいるとき三角哲彦という若い男性が訪れて奇妙なことを告げる。事故の日、瑠璃が面識のない自分に会いに来ようとしていたこと、さらに瑠璃はかつて自分が愛した“瑠璃”という女性の生まれ変わりではないか、と。あまりのことに激高した小山内は三角を追い返すが、梢の親友のゆいからも連絡がある。
小山内の生きる現在、三角の語る過去は27年も前のことです。共通するのは“瑠璃も玻璃も磨けば光る”からとられた“瑠璃”という名前のみ。生まれ変わりがあるのかないのか決めつけず、ひとまずあると信じて物語を観てください。
TBSの金曜ドラマ「妻、小学生になる。」を思い出します。そちらでは亡くなった妻が他の人の体を一時期借りて現れ、どちらの家族もかき回されますが、ラストは納得して妻は消えていきます。こちらは以前の記憶を持っての生まれ変わりなので、今の生活との時間差があるうえ気持ちの持っていき場が難しいです。「それでも逢いたい」人があなたにはいますか?
有村架純さん演じる瑠璃と目黒蓮さんの哲彦の許されない恋、「もう一度逢いたい」という想いの強さ、切なさに胸がきゅーっとなります。原作は2017年に直木賞を受賞した佐藤正午氏の同名小説。原作では正木瑠璃の夫・竜之介のその後が詳しく書かれていました。佐藤氏原作の映画化作品はこれで6本目。2021年に『鳩の撃退法』が公開されています。
メガホンをとる廣木隆一監督も2003年の『ヴァイブレータ』が印象的で、ずっとコンスタントに作品を送り出されています。今月だけでも『あちらにいる鬼』『母性』と公開作が続きます。女子高生の初恋も大人の色恋も、美味しい作品にしあげてくれる廣木監督をこれからも追っかけ。(白)
2022年/日本/カラー/シネスコ/128分
配給:松竹
(C)2022「月の満ち欠け」製作委員会
https://movies.shochiku.co.jp/tsuki-michikake/
★2022年12月2日(金)ロードショー
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