2022年11月13日
戦地で生まれた奇跡のレバノンワイン 原題:WINE and WAR
監督:マーク・ジョンストン、マーク・ライアン
脚本 : マーク・ジョンストン、マーク・ライアン、マイケル・カラム
プロデューサー:マーク・ジョンストン
製作総指揮:セルジュ・ドゥ・ブストロス、フィリップ・マスード
撮影:マーク・ライアン
音楽:カリム・ドウアイディー
編集:マレク・ホスニー、マシュー・ハートマン
出演:セルジュ・ホシャール、マイケル・ブロードベント、ジャンシス・ロビンソン、エリザベス・ギルバート、ミシェル・ドゥ・ブストロス、サンドロ・サーデ、カリム・サーデ、ジェームス・パルジェ、ジョージ・サラ、ジャン=ピエール・サラ、ナジ・ブトロス、ジル・ブトロス、ロナルド・ホシャール、ガストン・ホシャール、ファウージ・イッサ、サミー・ゴスン、ラムジー・ゴスン、マイケル・カラムほか
中東の⼩国レバノン。1975 年から断続的に内戦や隣国との軍事衝突が続き、その不安定な情勢を報じられることが多いが、実は知られざる世界最古のワイン産地の⼀つ。レバノンワインの起源は5千年前とも⼀説には7千年前ともされ、現在も約50のワイナリーが点在している。
本作には、戦争中もワインを作り続けてきた不屈のワインメーカーたちが登場する。
1975年から1990年にかけての内戦をものともせず、レバノンワイ ンを世界に売り込み「レバノンワインの⽗」と呼ばれたシャトー・ミュザールの2代⽬セルジュ・ホシャール。
1978年、内戦から3年⽬に設⽴したワイナリー、シャトー・ケフラヤのオーナー、ミシェル・ドゥ・ブストロス。1982年のイスラエル侵攻では、ブドウ畑の上空でイスラエル軍とシリア軍のジェット機による空中戦を体験した。
シリアのドメーヌ・ド・バージュラスとレバノンのシャトー・マー シャスのオーナーであるサンドロ&カリム・サーデ。シリア内戦の最中もワイン造りを続け、2020年 8 ⽉ 4 ⽇のベイルート⼤爆発では⾟くも死を免れたことで世界的な ニュースとなった。
戦争ではなく平和をもたらすために内戦中にワイン造りを始めた修道院の神⽗。
⾃分で⾝を守れるようにと 11 歳 で銃の扱い⽅を教えられ、⽗の遺志とワイナリーを受け継ぐ⼥性。
内戦中、虐殺が起こった故郷の村で、村の再起のためにワイナリーを続ける夫婦・・・
極限の状況でもワインを造り続 けてきた 11 のワイナリーのワインメーカーたちが語る⼈⽣哲学や幸福に⽣きる秘訣とは?
「私がセルジュから学んだことは、ワインのことよりも⼈の⽣き⽅についてだった」と『⾷べて、祈って、恋をして』の著者エリザベス・ギルバートは語る・・・
レバノンというと、今ではすっかり戦争のイメージがつきまといますが、かつては、ベイルートが「中東のパリ」といわれたように、地中海に面した温暖で華やかさもある地でした。中東の中では、イスラーム教徒とキリスト教徒が半々という人口構成で、まさにワインの似合うところ。
地中海に沈んだ船からは、その昔、古代レバノン⼈であるフェニキア⼈がワインを輸出するときに使った入れ物である素焼きの壺「アンフォラ」がたくさん見つかっています。内陸のバールベックの遺跡には、ワインを作った形跡があるのですが、アンフォラは出土していなくて、ワインは地元で消費していたのだろうといわれています。
古い歴史を持つレバノンのワインを守るべく、内戦やイスラエル侵攻にさらされる中でも、不屈の精神でワインを作り続ける人たちの物語。さらに、内戦で壊滅状態と思っていたシリアでも、ワインを作り続けている人がいることにも胸が熱くなりました。
美味しいレバノン料理とともに、いつかレバノンでワインを味わいたいものです。(25年前に、旅費を払いながら、入院してレバノンに行き損ねた私!)(咲)
戦争が続くレバノンで。まさかワインが造られているとは思ってもみなかった。しかもイスラム教徒がほとんどだと思っていたから、お酒があるとは思ってもみなかった。でも、キリスト教徒もいて、イスラム教徒とキリスト教徒が半々くらいということを知り、それならワインもあるのだなと納得した。それどころかレバノンワインの起源は5千年前とも7千年前とも言われているということを知り、そんな昔からワインは造られてきて、爆撃が続く中でも、絶えることなく続いているということが驚きだった。
不屈の精神でワインを造り続けるレバノンのワインメーカーたちの心意気が素敵だなと思った。また、平和を求め、内戦中にワインを造り始めた修道院の神父の話を観て、ここでも宗教者がワインを造っていると思った。日本でも山梨・勝沼にある大善寺というお寺では1000年くらい昔から葡萄を育てワインを造ってきたらしい。ま、日本ではワインとは言わず、葡萄酒だったのだろうけど。今でも大善寺はワインのお寺として有名で、ワインを造っている。宿泊もできるので、5年くらい前にここに泊まり、帰りにここで作ったワインを買ってきたことがある。宗教とワインというのは、なかなか結び付かないけど、ワインが生活に密着したものとして根付いているということなのでしょう。レバノンのワインを見たことも飲んだこともないので、チャンスがあったら飲んでみたい。そして、爆撃にさらされながらもワインを造り続けてきたレバノンの方たちにエールを送りたい(暁)。
95分/アメリカ/2020年/ドキュメンタリー
配給:ユナイテッドピープル
公式サイト:https://unitedpeople.jp/winewar/
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