2022年10月23日

アフター・ヤン(原題:After Yang)

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監督・脚本・編集:コゴナダ
原作:アレクサンダー・ウインスタイン
撮影:ベンジャミン・ローブ
音楽:アスカ・マツミヤ
オリジナルテーマ:坂本龍一
出演:コリン・ファレル(ジェイク)、ジョディ・ターナー=スミス(カイラ)、ジャスティン・H・ミン(ヤン)、マレア・エマ・チャンドラウィジャヤ(ミカ)、ヘイリー・ルー・リチャードソン(エイダ)

テクノと呼ばれる人型ロボットが一般家庭にまで普及している未来。茶葉店を営むジェイクの家族は、妻のカイラ、養女ミカとテクノのヤン。中国系のミカのために、その文化を伝えられるヤンをベビーシッターとして迎えたのだ。そのヤンが突然故障して動かなくなった。幼いころから一緒に暮らし、兄とも親友とも思っているミカのために、ジェイクは修理をしてくれるところを探し回る。何軒目かで、ヤンの体内に特別なメモリーが組み込まれていることがわかった。一日に数秒ずつ保存されていたのは、ジェイクの家族との暖かな交流や、ジェイクの知らない若い女性の映像だった。

コゴナダというお名前にどこの国の方か想像もつきませんでしたが、韓国ソウル生まれで、小津監督の大ファンなのだそうです。本名ではなく、小津作品の脚本家野田高梧(のだ・こうご)さん由来とのこと。アナグラムのように作られたのでしょうか。
映画全体の空気が静かで落ち着いていて、家のしつらえや衣裳も和風テイスト。冒頭の4人家族のダンス部分はちょっと雰囲気違います。ここに後からの登場人物が家族でダンスに挑戦していますのでよく観ていてください。
コゴナダ監督は『スタートレック』ファンなんでしょうか。AIロボットのヤンがバルカン星人みたいな髪型です。ヤンの中にしまわれていた映像に登場する若い女性とヤンの関わりもわかっていきます。ミカを演じるマレア・エマ・チャンドラウィジャヤは2011年生まれのインドネシア系アメリカ人。作中で歌う場面がありますが、堂々とした歌いっぷりの歌手でもあります。#maleaemmaで検索するとたくさんの動画がヒットしました。”アメリカンアイドル”に招待されてゴールデンチケットを贈られています。
キャストの好演に加えて優しい照明や音楽の効果もあり、ひたひたと胸のすきまが満たされる感覚になりました。(白)


コゴナダ監督の長編デビュー作『コロンバス』は、米国インディアナ州のモダニズム建築の町コロンバスを舞台にした物語。病に倒れた父親との確執が、ちょっと無機質なモダニズム建築の町で静かに描かれ、近未来を思わせられる点で『アフター・ヤン』と通じるものがあると感じました。
AIロボットのヤンは、見た目は人間と同じで、感情もあると思って接してしまいますが、あくまでロボットなのですね。近い将来、それぞれの人に合わせたメモリーが埋め込まれたAIロボットが話し相手になったり、介護してくれたりする世界になるのでしょうか・・・ (咲)


2021年/アメリカ/カラー/ビスタ/96分
配給:ミモザフィルムズ
(C)2021 Future Autumn LLC. All rights reserved.
https://www.after-yang.jp/
★2022年10月21日(金)ロードショー
posted by shiraishi at 13:04| Comment(0) | アメリカ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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