2022年10月02日

声/姿なき犯罪者 原題:보이스(ボイス)

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監督:キム・ソン&キム・ゴク(『ホワイト:呪いのメロディー』2011年)
出演:ピョン・ヨハン(『茲山魚譜 チャサンオボ』、『太陽は動かない』)、キム・ムヨル(『悪人伝』)、キム・ヒウォン(『鬼手』)、パク・ミョンフン(『ただ悪より救いたまえ』)、イ・ジュヨン(『サムジ ンカンパニー1995』)

釜山。ソジュン(ピョン・ヨハン)はワケあって刑事をやめ、建設現場で働いているが、正式に現場監督の内示も受け順調な日々だ。現場で作業員の落下事故が起こるが、なぜか携帯が通じない。その頃、ソジュンの妻は、建設現場で死亡事故が起こり、責任者の夫が逮捕され、示談金を払えば有罪にならないと言われる。夫に電話するも通じず、7000万ウォンを振り込む。建設現場の同僚たちの家族も同様に電話を受け、言われるままに金を振り込んだ。振り込め詐欺だと判明するが、会社自体が30憶ウォンの詐欺被害にあっていた。
ソジュンは、振り込め詐欺犯罪を担当する刑事イ・ギュホ(キム・ヒウォン)に早期解決を迫るが、元締めが中国にいてなかなか動けないといわれる。妻や同僚が失ったお金を取り戻すべく、ソジュンは自ら中国・瀋陽にある詐欺団のアジトに潜入する・・・

冒頭、スピード感に溢れる展開。詐欺にかかるのも、きっとこんな風にあっという間なのだと思いました。ピョン・ヨハンが、騙された悔しさから詐欺団に立ち向かう姿は、痛々しいながらカッコいいです。危ないアクションシーンもすべて自身でこなしたのだとか。
キム・ムヨル演じる振り込め詐欺本拠地の企画室総責任者クァクは、極悪非道ぶりが半端ないです。
監督のキム・ソンとキム・ゴクは双子の兄弟。実際にあった振り込め詐欺の事例を映画に落とし込んで、リアルを追求しています。
入手した個人情報に合わせた巧妙な台本を作り、電話のかけ子たちに配り、短期決戦で一斉に電話をかけ、振り込ませるという見事な手口。200人以上が制服を着て、一斉に電話をかける姿は、まるでコールセンター。始業時には訓示もあって、まさに企業そのもの。
日本でも組織的な詐欺グループの犯罪が後を絶ちませんが、韓国も同じ。「声」だけで、自分の大事な貯金を振り込んでしまうなんて信じられないと思っていても、引っかかる危険は誰しもにあるものと思います。映画の中で、キム・ヒウォン演じる刑事が、「不審な電話には出ず、お金の話が出たら切ること。何より、被害者は自分を責めがちですが、犯人が悪質なのです」という言葉を胸に刻みたいと思いました。(咲)


大がかりな詐欺に口があきっぱなし。犯罪は日々巧妙になっていて、騙しのプロに庶民は勝てません。それでも詐欺対策用に留守電にする。知らない番号の電話に出ないなど自分のできる工夫が必要ですね。
映画の中で、あれだけお金が集まっても本当に儲けているのは一握り。末端には借金に縛られて、しかたなく犯罪に加担してしまった人もいます。詐欺って人の弱点をつくんですね。誰か天誅を!
キム・ムヨルはドラマ「未成年裁判」では、情のある検事役でした。今回の凄まじい悪役っぷりにびっくり、演技の幅広げましたね。ソジュンに助けられたカンチル(イ・ジュヨン)がいいところで活躍します。彼女の髪型、「梨泰院クラス」(2020年)のイソちゃんと同じですね。流行りだったんでしょうか。(白)


2021/韓国/韓国語/109 分/シネスコ/5.1ch/カラー
提供:ツイン、Hulu
配給:ツイン
公式サイト:https://koe-voice.jp/
★2022年10月7日(金)より新宿武蔵野館他にて全国順次ロードショー

posted by sakiko at 16:58| Comment(0) | 韓国 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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