監督・脚本・編集:淺雄望
撮影:大沢佳子(J.S.C)
出演:上原実矩(木崎朔子)、若杉凩(西原光)、森田想(大谷栄美)、川瀬陽太(木崎拓朗)、広澤草(木崎聡美)
高校の美術部員の朔子、港のスケッチをしているときにあやまって海に落ちてしまった。それを見た西原は溺れる朔子の絵を描いて、コンクールで受賞し、絵は学校に飾られる。忘れたい黒歴史が残った朔子は憤懣やる方ない。新聞記者に取材された西原が、次の作品も朔子をモデルに描くと答えていて、自分の許可もとらずにと腹を立てる。西原の絵は確かにうまく、自分はとても及ばないと絵を諦めて造形に挑戦する。
私も高校生のとき、美術部でした。いろいろ題材にしたけれど動くものは描いたことがありません。なんで溺れてるところを描くのか「ハテナマーク」が飛びかってしまいました。誰も描かない絵だからこそ目にとまり、その力量を気づかれ、受賞したのでしょう。あの時の朔子が、西原の眼に強烈に焼き付いたんだとしか思えません。描かれた朔子は嬉しくないでしょうけれど、西原の本意がだんだんわかってきます。まさに青春映画でした。みんないい笑顔になっています。
美術部の先生、上から描き足すのはやめて。アドバイスは口だけでお願い。絵はその人のものです。(白)
●第15回田辺・弁慶映画祭4冠(グランプリ、観客賞、フィルミネーション賞、俳優賞・若杉凩)
●第22回TAMA NEW WAVE コンペティション2冠(グランプリ&ベスト女優賞・上原実矩)
2021年/日本/カラー/82分
配給:ムービー・アクト・プロジェクト
(C)カブフィルム
https://mikata-ent.com/movie/1205/
★2022年9月30日(金)より1週間限定公開。テアトル新宿、10月14日(金)、15日(土)シネリーブル梅田にて公開
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