2022年09月25日
ドライビング・バニー(原題:The Justice of Bunny King)
監督:ゲイソン・サヴァット
出演:エシー・デイヴィス(バニー・キング)、トーマシン・マッケンジー(トーニャ)
バニー・キングは40歳。車の行きかう道路わきに立ち、渋滞した車の洗車をして日銭を稼いでいる。わけあって最愛の娘は里親預かりとなり、面会も自由にできない。再婚した妹の家に居候しているが、娘の誕生日までには仕事を見つけて自分の家を借り、1日も早く娘と暮らしたい。良い仕事も部屋もなかなか手に入らず、焦る毎日だ。妹の再婚相手の男が、年頃になった姪のトーニャに手を出そうとしているのを目にしたバニーは止めに入る。男は言い訳したうえ、逆切れしてバニーは家を追い出されてしまった。家から出たいというトーニャを救い出し、次の策を考える。しかし、頼みの支援局もお決まりの台詞を並べるばかり。ついにバニーは背水の陣をしく…??!!
バニーは長い間辛酸をなめてきたにもかかわらず、逞しく生きてきました。バニーは過酷な状況にある女性たちを一人にまとめたものかもしれません。彼女は結構ちゃっかりしていて、思わず苦笑してしまうシーンも多いです。
最後のやり方は無茶な気もしますが、それまでにあまりに理不尽な扱いが続いて不満がたまりにたまったのでしょう。自分だったら何ができるかと考えると、行動を起こすより、我慢して胃が痛くなるのが落ちかな。無謀でも、バニーの母親としての愛情と、奮闘ぶりにエールを送りたくなります。支援局の職員がバニーと話すうちに、少しずつ変わっていくのが一筋の希望です。たとえ上意下達のお役所でも、現場にいる人の理解が進むと頼りにしてくる人には嬉しいはずです。
ゲイソン・サヴァット監督は初めてきくお名前です。プロフィールを見たらニュージーランド在住の中国人とありました。これが初長編ですが、次にどんな作品を送り出すのかとても楽しみです。(白)
バニーは、がさつで、身なりも気にせず、好き放題言ってる感じがして、どうにも好きになれないタイプと思ってしまったのですが、我が子と自由に面会もできない理由がだんだんわかってきて、こうなってしまったのも仕方ないなと!
収監されていたので、仕事や部屋探しにも苦労するのですが、支援局が面接用の服を無償で提供してくれるところを紹介してくれます。水色のスーツに身を包んだバニーは、デートに誘われるほど素敵です。
妹の再婚相手に追い出され、住む場所に困っている時に助けてくれたのは、路上で洗車をしている仲間の青年。大家族で、ベッドを明け渡さなければならない男の子はべそをかいてます。この一家、マオリのようで、食事の前の独特の儀式が興味深かったです。言葉も違いました。字幕がなかったです・・・(咲)
●トライベッカ映画祭審査員特別賞
2021年/ニュージーランド/カラー/100分
原題:The Justice of Bunny King
配給:アルバトロス・フィルム
(C)2020 Bunny Productions Ltd
https://bunny-king.com/
★2022年9月30日(金)ヒューマントラストシネマ有楽町、新宿シネマカリテほか全国公開
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