監督:タナダユキ
原作:平庫ワカ
脚本:向井康介、タナダユキ
撮影:高木風太
音楽:加藤久貴
主題歌:The ピーズ
出演:永野芽郁(シイノトモヨ)、奈緒(イカガワマリコ)、窪田正孝(マキオ)、尾美としのり(マリコの父)、吉田羊(タムラキョウコ)
ブラック企業に勤め、鬱屈した日々を送る OL・シイノトモヨは、テレビのニュースでダチのイカガワマリコが亡くなったことを知る。マンションから飛び降りたと報じられている。なんであたしに何も言わずに、とマリコの死が信じられないシイノだが、小学生時代から父親に虐待を受け、彼氏から暴力をふるわれていたことは知っている。知っていながらマリコを助け出すことはできなかった。今、逝ってしまったマリコのために何かできることはないか、シイノは考える。「今度こそあたしが助ける」と、鞄に出刃包丁を隠し持ってマリコの実家を訪ねた。だって実家にはいたくないはずだから。
つい先日終了したTBSドラマ「ユニコーンに乗って」で起業した若きCEO役だった永野芽郁さん、ここではちょっとガラの悪いOL役です。ブラック企業でクサクサしていたら、タバコも吸いたくなるし、つっけんどんな態度にもなるでしょう。ところがたった一人の「ダチ」のマリコがマンションから飛び降りた!と知ってスイッチが入ります。少々アクションもありますが、『地獄の花園』の直子に比べたら、なんてことありません。マリコ役の奈緒さんは、これに限らずどこか遠くを見ているような役柄がよく似合います。不倫女子も薄幸の花魁もやれるし次は何?という楽しみがある女優さん。実際に永野芽郁さんと奈緒さんは仲が良いそうで、この結びつきにも反映されているのかも。
窪田正孝さん演じるマキオは痛みを知っているからこその優しさがあって、これも適役。虐待する父親が、子役時代から見ている尾美としのりさんとは。タムラキョウコ役の吉田羊さん、いい女過ぎてこんな男にはもったいない、けれども変えてくれそうな予感もします。原作はどこまで描かれているんだろう?なんだか気になります。(白)
2021年/日本/カラー/85分
配給:ハピネットファントム・スタジオ、KADOKAWA
(C)2022映画「マイ・ブロークン・マリコ」製作委員会
https://happinet-phantom.com/mariko/
★2022年9月30日(金)ロードショー
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