2022年09月14日
秘密の森の、その向こう(原題:Petite maman)
監督・脚本・衣装:セリーヌ・シアマ
撮影:クレア・マトン
音楽:ジャン=バプティスト・ドゥ・ロビエ
出演:ジョセフィーヌ・サンス(ネリー)、ガブリエル・サンス(マリオン)、ニナ・ミュリス(ネリーの母)、マルゴ・アバスカル(ネリーの祖母)、ステファン・ヴァルペンヌ(ネリーの父)
大好きなお婆ちゃんが亡くなった。ネリーは両親と一緒にお婆ちゃんとママが住んでいた家にやってくる。ママが子どものころのノートもみんな残っている。ママはとても悲しそうだ。朝起きるとパパが朝食を作っていて「ママが出て行ったよ」と言う。ネリーが裏の森に出かけてみると、女の子が木の枝を運んでいた。小屋づくりを手伝ったネリーは、その子がマリアンヌという名前だと知る。ママと同じ名前。突然の雷雨に見舞われた二人はマリアンヌの家へと走る。そこはネリーのおばあちゃんの家だった。
原題が「Petite maman」とすでにネタバレしています。森で出逢ったマリアンヌは子どもの頃の母親でした。ネリーとそっくりでも不思議はありません。ネリーとマリアンヌを、双子のサンス姉妹が、時空を超えて出逢った母と娘を演じています。いつも青系の衣服がネリー、赤系がマリアンヌ。豊かで静かな森の中で遊びまわる2人の幸せそうなこと。
8歳というと小学3年生ですが、ネリーはとても大人びていて落ち着いています。泣いたり、矢継ぎ早に質問したりすることはありません。こんなに不思議なことがあったら、私なら絶対に飛んで帰って父親に話すはず。ママくらいの年のおばあちゃん、自分と同じ8歳のママ、そこに何十年後の自分が入ってもいいのかな。いやいや、この映画では理屈は不要。3世代の女性のただただやさしいまなざしが交差し、ネリーの知らなかった世界を垣間見せてくれます。若い祖母や幼い母親に会えるなんていいなぁ。細くとも確かに続いてきて、これからも続く人生を感じました。(白)
2021年/フランス/カラー/73分
配給:ギャガ GAGA★
(C) 2021 Lilies Films / France 3 Cinema
https://gaga.ne.jp/petitemaman/
★2022年9月23日(金・祝)ロードショー
この記事へのコメント
コメントを書く
コチラをクリックしてください