2022年09月13日

雨を告げる漂流団地

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監督:石田祐康
脚本:森ハヤシ/石田祐康
音楽:阿部海太郎
主題歌・挿入歌:ずっと真夜中でいいのに。
企画:ツインエンジン
制作:スタジオコロリド
声の出演:田村睦心 瀬戸麻沙美 村瀬歩 山下大輝 小林由美子 水瀬いのり 花澤香菜 島田敏 水樹奈々

小学6年生の航祐(こうすけ)と夏芽(なつめ)は、団地で育った幼馴染。姉弟のようにいつも一緒で、サッカーのツートップとして活躍していた。しかし2人のよりどころだった航祐の祖父が亡くなり、2人は以前のように屈託なく話せない。
夏休みのある日、航祐はクラスメイトの譲と太志と3人で取り壊しの進む「おばけ団地」に忍び込む。そこは航祐と夏芽が育った思い出の家だった。航祐は思いがけず夏芽と遭遇し、誘っていない令依菜(れいな)と珠理(じゅり)までやってくる。誰もいなくなったはずの団地には謎の少年・のっぽがひっそり住んでいた。突然不思議な現象が起こり、みんなが我に返ると大海原に団地ごと漂流していた──果たして元の世界へ戻れるのか?

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アニメーションスタジオ「スタジオコロリド」の新作。『ペンギン・ハイウェイ』『泣きたい私は猫をかぶる』に次ぐ長編アニメーション映画第3弾です。この団地の外観が数十年前に住んでいた社宅とそっくり、たぶん間取りも似ているのではないかしら。板敷の台所(キッチンとは言わなかった)、お茶の間(リビングとも言わなかった)、子ども部屋と寝室。子どもが2人以上だと部屋を半分にしたり、上の子が中高生になると、寝室は大きい子たちへ。片づけた後のお茶の間が寝室になったっけ…と懐かしいです。
性差に気づく成長期、距離ができてしまった航祐と夏芽。男女2人ずつのクラスメイトと不思議なのっぽくんが、とんでもない天変地異に巻き込まれて日々サバイバルのために協力します。団地が漂流するという、わけわかんない事態に遭いながら6年生たちは存外に逞しいです。愛だ恋だでいっぱいの中高生ストーリーが多かったので、ダイナミックな映像と、絶望しない子どもたちが新鮮この上なく、おおいに楽しみました。
形こそ違え、みんなに訪れるもの。古いものと別れを告げ、新しく生まれ、大きくなるための通過儀礼だったのかもしれません。自分が子どもの領域から出たのは、いつだったかなとつい考えます。どの年代の人にも広く深く届くだろう作品でした。(白)


2022年/日本/カラー/シネスコ/120分
配給:ツインエンジン、ギグリーボックス
(C)コロリド・ツインエンジンパートナーズ
https://www.hyoryu-danchi.com/
●Twitter:@Hyoryu_Danchi (https://twitter.com/Hyoryu_Danchi
#漂流団地 #スタジオコロリド
★2022年9月16日(金)Netflix全世界独占配信&日本全国ロードショー
☆劇場来場者特典・週替わり:チェキ風フォト、フィルムしおり
posted by shiraishi at 22:05| Comment(0) | 日本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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