
©︎2020 NORD-OUEST FILMS―SND GROUE M6ーFRANCE 3 CINÉMA―AUVERGNE-RHôNE-ALPES CINÉMA―ALTÉMIS PRODUCTIONS
監督:エリック・ベナール
脚本:エリック・ベナール、ニコラ・ブークリエフ
撮影:ジャン=マリー・ドルージュ
音楽:クリストフ・ジュリアン
出演:グレゴリー・ガドゥボワ、イザベル・カレ、バンジャマン・ラベルネ、ギヨーム・ドゥ・トンケデック
フランス革命の息吹の中で誕生した庶民も集えるレストランの物語
1789年、革命直前のフランス。
シャンフォール公爵(バンジャマン・ラベルネ)に仕える宮廷料理人マンスロン(グレゴリー・ガドゥボア)。貴族の集う宴に、この日、マンスロンは創作料理を出す。従来、料理人は既存のレシピのものしか出してはいけないのだ。公爵が新作料理についてマンスロンに説明を求める。「名はデリシュ。中はジャガイモとトリュフ」と聞いて、ある貴族が、「地下のものを使うとは! そんなものは豚に食わせとけ」というと皆が大笑い。豚の真似をする者もいる。マンスロンは公爵に解任され、息子を連れて旅籠を営む実家に帰る。もう料理はしないと決めたが、ある日、ルイーズ(イザベル・カレ)という女性がやって来て、弟子にしてほしいという。料理は男のものと断るが、レシピも読めると居座る。初めは煙たがっていたマンスロンだったが、彼女の料理への一途な思いに触れるうちに、自身も料理への情熱を取り戻す。息子のアイディアで、広間に椅子とテーブルを並べ、どんな身分の人も食事ができる場にする。こうして誕生した「レストラン」は評判を呼び、公爵もその存在を知ることになる・・・
18世紀のフランスでは、外食の機会は稀で、旅籠などで料理は出していたものの、いわゆる「レストラン」はなかったと知り、ちょっとびっくりしました。
宮廷料理人がレシピにない料理を創作することもできなかったことにも驚きましたが、さらに、地中で出来た作物は、ハンセン病などの病気をもたらすと教会が断定し、ジャガイモやトリュフは悪魔の産物とされていたことには驚愕すら覚えました。空中にいる要素が多ければ多いほど神聖な存在で、鳩などは完璧。地面に近い牛はちょっと劣るのだそうです。
本作では、男の世界だった料理人に挑むルイーズという女性の物語がもう一つの柱になっています。彼女がなぜ料理人に弟子入りしたのか、ぜひ劇場でご確認ください。(咲)
2020年/フランス・ベルギー/フランス語/カラー/シネマスコープ/5.1ch/112分
配給:彩プロ
公式サイト:https://delicieux.ayapro.ne.jp/
★2022年9月2日(金)より、TOHOシネマズシャンテほか全国にて公開