2022年08月18日

復讐は私にまかせて   原題:Seperti Dendam Rindu Harus Dibayar Tuntas 英題:Vengeance is Mine, All Others Pay Cash

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Ⓒ 2021 PALARI FILMS. PHOENIX FILMS. NATASHA SIDHARTA. KANINGA PICTURES. MATCH FACTORY PRODUCTIONS GMBH. BOMBERO INTERNATIONAL GMBH. ALL RIGHTS RESERVED


監督&脚本:エドウィン(『動物園からのポストカード』)
撮影:芦澤明子(わが母の記』『トウキョウソナタ』『海を駆ける』)
出演: マルティーノ・リオ ラディア・シェリル ラトゥ・フェリーシャほか

1989年、インドネシアのボジョンソアン地区。無鉄砲な若者アジョ・カウィル(マル ティーノ・リオ)はケンカとバイクレースに明け暮れている。そんな彼は勃起不全という悩みを抱えていて、苛立ちのはけ口として、悪名高き実業家のレベを叩きのめして やろうと思い立つ。採石場に乗り込むと、レベに雇われた女ボディガードのイトゥン(ラディア・シェ リル)が立ちはだかる。華奢ながら、伝統武術シラットの使い手であるイトゥンは、アジョと互角に闘う。最後には両者共にノックダウン。それがふたりの運命的な恋の始まりだった。
不能だから結婚できないというアジョに、だからこそ結婚するのよと積極的なイトゥン。盛大な結婚披露パーティーを開き、慎ましくも幸福な新婚生活が始まる。アジョは、ずっと心のうちに隠していた1983年6月の日食の日の出来事をイトゥンに打ち明ける。まだ少年だったアジョは友人と二人で、ロナ・メラーという未亡人がふたり組の男に襲われているのを家の外から覗き込む。それが暴行犯に見つかり、自分たちも性的虐待を受けてしまったのだ。この話を聞いたイトゥンは、この時のことがトラウマになってアジョは不能なのだと、暴行魔たちへの復讐を決意する。幼なじみのブディ(レザ・ラハディアン)に協力を求めるが、イ トゥンに横恋慕していたブディは、彼女の弱みにつけ込んで誘惑し、イトゥンは、ブディとの子を身ごもってしまう。「尻軽女!」と叫んで家を飛び出すアジョ。裏社会の実力者ゲンブル(ピエト・パガオ)から殺しの仕事を請け負い、刑務所送りとなる。イトゥンもブディを殺害した罪で投獄される。
3年後、刑期を終えたアジョとイトゥン。再会を果たした二人の前に、ジェリタ(ラトゥ・フェリーシャ)という謎めいた女が現れる…

主人公のアジョが勃起不全に悩んでいるという設定には、インドネシア社会に今も根強く残っているというマチズモ(男性優位主義、女性蔑視)への批判がこめられているとのこと。いじいじしたアジョに対し、武術にたけたイトゥンは言うこともカラッとして、実にカッコいいです。 
冒頭、「天国は母の足元にある」という標語が書かれた看板が映し出されます。その後も、看板や、トラックの後ろなどに、大胆な絵に言葉が添えられたものが、効果的に出てきて、物語の流れの中で、この言葉の意味するところは?と、つい考えてしまいました。
ねっとりとしたインドネシアの地で繰り広げられる愛と復讐の物語にくらくら。(咲)



デジタルカメラが主流の時代に、あえてアナログなフィルムでの撮影を切望したエドウィン監督。撮影を黒沢清監督、深田晃司監督など数々の映画監督とタッグを組んできたカメラマンの第一人者芦澤明子さんに依頼し、コダックの16ミリフィルムで撮影。ざらついた独特の質感が、愛と復讐のドラマをきわだたせています。
☆ご参考
『ここに、幸あり』撮影監督 芦澤明子さんインタビュー
http://www.cinemajournal.net/special/2003/sachiari/index.html


第74回ロカルノ国際映画祭金豹賞受賞

2021年/インドネシア、シンガポール、ドイツ/インドネシア語/ビスタ/5.1ch/カラー/PG-12
配給:JAIHO
公式サイト:https://fukushunomegami.com/
★2022年8月20日(土) シアター・イメージフォーラム他にて全国順次ロードショー


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2015年9月、『動物園からのポストカード』がアジアフォーカス福岡国際映画祭で上映された折に来日したエドウィン監督とニコラス・サプトラ 

ニコラス・サプトラに会えた! 今年も充実のアジアフォーカスの旅でした (咲)
http://cinemajournal.seesaa.net/article/427092716.html

posted by sakiko at 14:44| Comment(0) | インドネシア | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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