2022年08月13日
ハウ
監督:犬童一心
原作:斉藤ひろし
脚本:斉藤ひろし 犬童一心
主題歌:GReeeeN「味方」(ユニバーサルミュージック)
出演:田中圭(赤西民夫)、池田エライザ(足立桃子)、野間口徹(鍋島史郎)、渡辺真起子(鍋島麗子)、長澤 樹(朝倉麻衣)、モトーラ世理奈(森下めぐみ)、石橋蓮司(関根次郎)、宮本信子(関根志津)
市役所に勤める民夫は婚約者にあっさり捨てられた。そんな民夫に上司の鍋島は大きな保護犬と引き合わせる。以前の飼い主に手術をされて声が出ない白い犬は、すぐに民夫に懐いた。民夫はその鳴き声のまま「ハウ」と名付けて一緒に暮らし始める。毎日が楽しく互いの信頼も深まりかけがえのない存在になったころ、ハウは突然いなくなってしまった。必死に探しまわるが、ある日ハウと似た大型犬が事故死したと連絡が入る。すでに火葬されていて、確かめようがなかった。
実は、ハウは横浜から遠く離れた青森まで行っていた。大好きな民夫に会いたい一心で、南に向かって走り続ける。
偶然が重なって遠くまで行ってしまったハウは、民夫を求めて歩くうちに悲しみを抱えた人々と出逢います。これがもう一つ、いや、それぞれに映画ができそうなストーリーです。ハウはそばにいるだけなのに、その人たちは癒されてちょっとだけいい方向へ進んでいきます。見極めたように彼から離れて、また民夫を探して走るハウ。ハウが死んでしまったと思った民夫は、職場の同僚の桃子や、上司の鍋島夫妻に支えられて少しずつ元の生活を取り戻します。犬と人の愛情と深いつながりに、心がぽっと温かくなります。自分勝手な人間も出てきますが、そこもハウの活躍どころ。ハウ役は俳優犬のベック、初演技だそうですが、田中圭さんとの息はぴったり。石田ゆり子さんのナレーションも優しく、観終わったころには、犬と暮らしたくなっていました。
馳星周さんの『少年と犬』という小説を思い出しました。ハードボイルドな小説を数多く書かれてている馳さんですが、飼い犬のために引っ越しするほどの愛犬家。こと犬に関する小説はものすごく優しいんです。ハウの旅が気に入った方はそちらもおすすめ。犬童監督はこれまでにも、動物とのかかわりを描いた作品を何本も送り出しています。大島弓子さん原作の映画化作品もありますので、猫派の方も要チェックです。(白)
2022年/日本/カラー/118分
配給:東映
(C)2022 「ハウ」製作委員会
https://haw-movie.com/
★2022年8月19日(金)ロードショー
この記事へのコメント
コメントを書く
コチラをクリックしてください