2022年07月31日

ファイナル アカウント 第三帝国 最後の証言  原題:Final Account

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(C)2021 Focus Features LLC.

監督・撮影:ルーク・ホランド
製作:ジョン・バトセック、ルーク・ホランド、リーテ・オード
製作総指揮:ジェフ・スコール、ダイアン・ワイアーマン、アンドリュー・ラーマン、クレア・アギラール
アソシエイト・プロデューサー:サム・ポープ
編集:ステファン・ロノヴィッチ/追加編集:サム・ポープ、バーバラ・ゾーセル
音楽監修:リズ・ギャラチャー

イギリスのドキュメンタリー監督ルーク・ホランドは、10代になって初めて、母がウィーンから逃れてきたユダヤ難民で、祖父母はホロコーストで殺害されたというルーツを知った。2000年代になり、祖父母を殺した人間を探す目的で、ドイツやオーストリアで暮らす戦争体験者たちをインタビューし、カメラに収めた。その数は約250件にも及んだ。
ホロコーストを直接目撃した、生存する最後の世代である彼らは、ナチス政権下に幼少期を過ごし、そのイデオロギーを神話とするナチスの精神を植え付けられて育った。戦後長い間沈黙を守ってきた彼らが語ったのは、ナチスへの加担や、受容してしまったことを悔いる言葉だけでなく、「手は下していない」という自己弁護や、「虐殺を知らなかった」という言い逃れ、果てはヒトラーを支持するという赤裸々な本音まで、驚くべき証言の数々だった・・・

ナチスが犯したユダヤ人などの大量殺人は、今でこそ歴史的事実として皆が知っていることですが、当時は、渦中にいて目撃していた人にとっても、全体像は見えてなかったこと。ましてや、自分が大量殺戮に加担したとは思いたくないのが世の常でしょう。取材を受けた人たちの答える姿からは、様々な思いを感じ取ることができて、興味深いものでした。時代の動きの中で、そのような行動を取らざるをえないというのも、人間の悲しい性。
今、まさに戦闘の続くロシアとウクライナ。どちらの兵士も、本来なら戦うより平和に暮らしたいはず。それなのに、人を殺すことに加担させられているのです。権力者の欲のために・・・ 人類はいつまで無駄な戦いを繰り返すのでしょう。(咲)

2020年/アメリカ=イギリス/ドイツ語/94分/カラー(一部モノクロ)/ビスタ
字幕翻訳:吉川美奈子 字幕監修:渋谷哲也 ナチス用語監修:小野寺拓也  
配給:パルコ ユニバーサル映画
公式サイト:https://www.universalpictures.jp/micro/finalaccount
★2022年8月5日(金)よりTOHOシネマズ シャンテ、渋谷シネクイントほか全国ロードショー





posted by sakiko at 19:01| Comment(0) | アメリカ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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