2022年07月10日
ボイリング・ポイント/沸騰 原題:BOILING POINT
製作・監督・脚本:フィリップ・バランティーニ
出演:スティーヴン・グレアム(『ヴェノム:レット・ゼア・ビー・カーネイジ』『アイリッシュマン』)、ヴィネット・ロビンソン(「SHERLOCK/シャーロック」)、レイ・パンサキ(『コレット』)、ジェイソン・フレミング(『ロック、ストック&トゥー・スモーキング・バレルズ』『ベンジャミン・バトン数奇な人生』)
クリスマス直前の金曜日の夜。ロンドンの人気高級レストランのオーナーシェフ、アンディ・ジョーンズは、店に急ぎながら妻に電話している。別居して2か月、今晩は息子ネイサンと会う約束をしていたのにとても無理。直接謝りたいのに息子はつかまらない。店に着くと、スタッフが開店準備に追われている中、衛生検視官が抜き打ち検査に来ていて、厳しくチェック。安全評価が「5」から「3」に落とされてしまう。アンディが衛生管理ファイルの記入を怠っていたのも一因だった。スタッフからは食材の注文忘れを指摘され、さらに、宿敵のシェフ、アリステアの予約が入っていると聞かされ、頭が痛い。ほどなく開店。フロアもキッチンも大忙し。そんな中、アリステアがやってくる。予告なしにグルメ評論家のサラを同伴して・・・
アンディの元同僚で今はテレビでも活躍する宿敵のシェフであるアリステア。来店するなり、アンディに「ナマステ」とインド式に挨拶し、料理を注文したあと、「小皿でザアタル(アラビア語でハーブ類の総称)を持ってきて」と頼みます。まず、この男、何者?と興味を惹かれましたが、アンディに借金を返せと無理を言ったり、共同経営の危なげな話を持ちかけたりと、なんだか信用できないいい加減な男。アンディにとってはアリステアとのやり取りだけでも頭が痛いのに、次から次へと問題が起こって、アンディの精神状態は沸騰点に達します。それも、アンディが会えない息子に電話するたびに、これでもかとトラブル発生! しか~し、そも、オーナーシェフとはいえ仕事中の私用電話、いいの?とちょっといらつきました。そんなアンディですが、副シェフの給料アップを共同オーナーに了承を得なければという問題は常に頭から離れません。
監督が、レストラン業界内で起きている、うつ病、薬物乱用、人種差別、ハラスメント、同性愛 嫌悪など、改革を切実に必要としている問題を描きたかったのだとわかり、アンディの周りで次々にトラブルが起こった意味を納得しました。
厨房、フロア係、客・・・と、多くの人物が登場して、様々な「問題」が起こります。「13卓はプロポーズ予定で、女性はピーナッツアレルギー」という注意があって、予測通り、女性が発作を起こしてしまうのですが、それすら、問題の一つという位!
満席のレストランを舞台に、キッチンとフロアでの出来事を90分ワンショットで描き切ったことに、ただただお疲れさまのひと言です。(咲)
2021/イギリス/英語/95 分
字幕:石田泰子
配給:セテラ・インターナショナル
© MMXX Ascendant Films Limited
公式サイト:http://www.cetera.co.jp/boilingpoint/
★202年7月15日(金)よりヒューマントラストシネマ有楽町、新宿武蔵野館ほか全国公開
この記事へのコメント
コメントを書く
コチラをクリックしてください