2022年06月26日
パレスチナのピアニスト 原題:The Pianist from Ramallah
監督:アヴィダ・リヴニー
プロデューサー:エイタン・エヴァン、ウディ・ザンバーグ
撮影:ネイエフ・ハムド
編集:ニリ・フェラー
2003 年ロシア、サラトフ生まれのモハメド・“ミシャ”・アーシェイクは才能ある10代のピアニスト。父はパレスチナ人、母はロシア人。パレスチナ西岸地区ラマッラで暮らしている。10 歳の頃、エルサレムのマニフィカト音楽院でエマ・スピトコフスキーに師事し、ピアノを始め、3 年後の 13 歳の頃、2016 年ビリャエルモサ国際ピアノコンクール(メキシコ)で優勝。将来はプロのピアニストとなることを夢見ている。
ピアノの先生は、ロシア出身のユダヤ系イスラエル人で、ピアノのレッスンを受けるため、通常車で 1 時間のところ、イスラエルが設けた検問所を通過しなければならないため 3 時間かけてエルサレムに通っている。映画はミシャの 13 歳から 17 歳の 4 年間を追う。
冒頭、母と検問所に並び、分離壁を眺めながらエルサレムに住むピアノ先生のところに向かいます。何か事が起きると検問所は閉鎖されてしまいます。「先生のいるエルサレムに引っ越せば」と簡単にいう人に、「国籍がないからダメ」とミシャ。
コロナ禍でリモートでレッスンを受けるのですが、検問所が閉鎖されたときにもリモートだったので手慣れたもの。先生は、ロシアでのオーケストラと共に演奏するときにもついてきてくれて、皆にアラブのお菓子を配った時には、いろんな種類があるのに、なぜだか皆、同じものしか取らないのを嘆く姿が可愛いです。背も高くなって声変わりもして、すっかり大人になったミシャに、先生はそろそろほかの先生にも習ったほうがいいと進言します。「彼ならどんな困難も乗り越えられる」と先生。
父親は「神経外科医もいいぞ」と息子が医者になってくれる夢も捨てきれないのですが、「お前の気持ちを尊重する」と諦めています。そんな父が、まだ少年だったミシャに、「結婚するならパレスチナ人とロシア人、どっちがいい?」と聞く場面がありました。「好きな人がいい」と答えるミシャ。確かに!
父親は「13年ロシアで暮らして、ママとも出会って美しい日々だったけど、やっぱり祖国がいい」とパレスチナに戻ってきたのです。パレスチナとロシア、二つの文化を背負って生きてきたミシャ。どんなピアニストになるでしょう・・・ (咲)
2020年/イスラエル/アラビア語、ロシア語、英語/61分/ドキュメンタリー
配給:ユナイテッドピープル
公式サイト:https://unitedpeople.jp/palestine
★2022年7月2日(土)シアター・イメージフォーラム他全国順次ロードショー
上映予定:
イメージフォーラム上映中
第七藝術劇場 7/16~
京都みなみ会館 7/22~
横浜シネマリン 8/6~
名古屋シネマテーク 8/20~
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