2022年06月26日

ガザ 素顔の日常  原題:Gaza

gaza.jpg
(C)Canada Productions Inc., Real Films Ltd.

監督:ガリー・キーン、アンドリュー・マコーネル
プロデューサー:ブレンダン・J・バーン、ガリー・キーン、アンドリュー・マコーネル、ポール・カデュー
エグゼクティブ・プロデューサー:トレバー・バーニー、クリスティアン・ベーツ、マリーズ・ルイヤー
撮影監督:アンドリュー・マコーネル
編集:ミック・マホン
音楽:レイ・ファビ

市場には色とりどりの野菜や果物が並び、モスクからはアザーン(お祈りの時間を告げる詠唱)が聞こえてきて、いかにも中東の町の風情。海辺にもモスクがある一方、老若男女がビーチに集い、サーフィンに興じる者や、ラップを口ずさむ若者たちもいる。
映し出されているのは、パレスチナ自治区のガザ地区。
2007年にイスラエルがガザを壁で囲み完全封鎖してからは、物資も不足し、移動の自由もなく、「天井のない監獄」の異名で呼ばれている。
紛争のことばかり報道されるガザだが、ガリー・キーンとアンドリュー・マコーネルの二人は、ドキュメンタリー監督としてガザで長年活動してきて、ここにも普通の人たちの暮らしがあることを伝えたいと本作に取り組んだ。
200万人が暮らすガザの中から、3人の人物をメインに取り上げて、ガザで暮らす人々の思いを垣間見せている。

マナル・カラファウィ:過去 25 年間国連開発計画(UNDP)でプロジェクト・マネージャーとして働いてきた。結婚し、4 人の娘と 1 人の息子がいる。彼女の家族のルーツはエルサレムにあるが、生まれ育ったのはガザ。ガザが生命と希望に満ちたコスモポリタンな場所だった頃を懐かしく思い出す。

カルマ・カイアル:マナルの一番下の娘で19 歳。ガザのアル・アズハル大学で法学を学んでいる。奨学金をもらって海外で国際法や政治学の修士課程を学びたいが、その夢は現状では叶いそうになく、ガザの人道支援団体で働きたいと考えている。厳しい現実から逃避しようと、幼い頃に熱中していたチェロを弾いてみる。

アフマド・アル=アクラー:ガザで最も小さな難民キャンプである海辺のディル・アル・バラハに住んでいる。アフマドの父親には3 人の妻がいて、アフマドと 13 人の兄弟、23 人の姉妹が住んでいる。ガザで一番大きな家族。
18 歳のアフマドは無学で、カルマと違って人生の目標をガザの向こう側には持っていない。漁師として暮らすアフマドは 3 マイルの封鎖された海を見つめ、家族の収入源の心配をしている。彼の夢は、大きな船を所有し、家族で大規模な漁業を営むことだが、ガザの厳しい現実を誰よりもよく知っている。

ガザには東京 23 区の 6 割ぐらいの場所に約 200 万人のパレスチナ人が暮らしていますが、人口密度が高いのは、人口の約7割が暮らす難民キャンプ。イスラエルに占領された地から追い出されて難民としてガザにいる人たちと、先祖代々がガザの人々では暮らしぶりも違います。それでも、「5分後には何が起こるかわからない」という共通の危険にさらされているのがガザの人たちでしょう。「家族と一緒にいられるだけで幸せ」という思いも砕かれてしまうかもしれないのがガザ。
そんなガザでも、確かにサーフィンをする人たちはいるのです。なんといっても、ガザは約40キロが地中海に面しているのですから!

2020年3月のイスラーム映画祭5で『ガザ・サーフ・クラブ』の上映後のトークで、アラブ文学研究者の岡真理さんの冒頭の言葉が印象的でした。
「ガザにサーフクラブ? 悪い冗談かと最初思いました。海に面しているのでサーフィンは出来るはずですが、「白い黒板」といったような相容れない組み合わせだと、ガザを知っていると思います」
下記に、ガザの辿った歴史も含めてトークの様子を掲載しています。
イスラーム映画祭5『ガザ・サーフ・クラブ』
http://cineja3filmfestival.seesaa.net/article/474101448.html

2019年2月28日にガザから来日した画家3人の方にお会いしたことがあります。
ビザを取得するのも大変で、さらにビザを持っていても、2か所しかない検問所から出国するのも手続きがすんなりできないガザの事情を悲しげな面持ちで話してくださったのが、今も心に残っています。

天井のない監獄ガザから来日した3人の画家 (咲)
http://cinemajournal.seesaa.net/article/464639114.html

イスラエルは、2007年にガザを封鎖する前に、入植していたユダヤ人を全員、ガザから撤退させています。気にせず砲撃できるという次第。やりたい放題のイスラエル。なんとか止めることはできないのでしょうか・・・ (咲)



2019年/アイルランド・カナダ・ドイツ/92分/ドキュメンタリー
配給:ユナイテッドピープル
公式サイト:https://unitedpeople.jp/gaza/
★2022年7月2日(土)シアター・イメージフォーラム他全国順次ロードショー


上映予定:
イメージフォーラム上映中
第七藝術劇場 7/9~
京都みなみ会館 7/22~
横浜シネマリン 7/30~
名古屋シネマテーク 8/20~

posted by sakiko at 19:12| Comment(0) | パレスチナ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
コチラをクリックしてください