2022年06月25日
哭悲/SADNESS(英題:The Sadness)
監督・脚本:ロブ・ジャバズ
撮影:バイ・ジエリー
音楽:TZECHAR
出演:レジーナ・レイ(カイティン)、ベラント・チュウ(ジュンジョー)、ジョニー・ワン(ビジネスマン)、ラン・ウエイホア(ウォン・ジャンリアン)、ラルフ・チウ(リンさん)、アップル・チェン(シェン・リーシン)
謎のウィルスが蔓延している台湾。感染した当初は風邪のような症状だが、そのうち狂犬病のように信じられないほど凶暴になってしまうことがわかった。各地で阿鼻叫喚の地獄が展開し始めていたが、誰も止められず解決策も見つかっていない。カイティンとジュンジョーのカップルはまだ何も知らず幸せに暮らしている。ジュンジョーはカイティンをバイクで駅まで送り届けた後、血に飢えた感染者たちに出逢ってしまう。やっと家に戻ると、隣人もすでに感染していた。必死にカイティンに連絡するが、彼女は地下鉄で隣に座ったビジネスマンから難癖をつけられていた。カイティンは執拗に追ってくる彼から逃げて病院に駆け込むことができたが…。
コロナ禍の中で観ると、怖さが増幅します。感染して死に至るのも怖いですが、この映画では、ウィルスの突然変異種がうまれ、脳に作用して人間の理性が吹き飛び凶暴になる、とのこと。それも意識ははっきりしているのに、自分で制御できず残虐な行為に走ってしまいます。意識下の欲望が出てしまうというおぞましさ。これはいやだ。
初の長編監督作というロブ・ジャバズ監督は、大のホラーファン。これまでに観た作品にオマージュを捧げつつ、観たこともないような作品を作り上げ海外で高評価を受けています。残虐な描写とバケツでぶちまけたような大量の血に、気の弱い方はご注意。そんな中でなんとしても再会したいカイティンとジュンジョー、2人の絆の強さも描かれています。さてその願いは叶うや否や?
実は一番恐ろしいもの、見たくないものは、人の本音・欲望かもと思った作品。以前「他人の心が読める人が、知りたくなくても入ってくる人間の欲望の醜さに発狂してしまう」漫画を見たのを思い出しました。それも怖かった。(白)
2021年/台湾/カラー/108分
配給:クロックワークス
(C)2021 Machi Xcelsior Studios Ltd. All Rights Reserved.
https://klockworx-v.com/sadness/
★2022年7月1日(金)あなたの中の悪意が目覚めるロードショー
この記事へのコメント
コメントを書く
コチラをクリックしてください