2022年06月19日

ウクライナ映画 『アトランティス』&『リフレクション』 2作品同時緊急公開

戦禍のウクライナの真実を伝える
名匠ヴァレンチン・ヴァシャノヴィチ
2作品同時 緊急劇場公開

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2022年2月24日のロシアによるウクライナ侵攻から3カ月近く経った今もなお戦禍にあるウクライナ。 ウクライナ映画界の俊英として世界中の期待を集めるヴァレンチン・ヴァシャノヴィチが監督・脚本・撮影・編集・製作を手がけた『アトランティス』(2019)と『リフレクション』(2021)の2作品が、6月25日(土)よりシアター・イメージフォーラム他にて緊急同時公開されます。

今年3月、この2作品の上映およびウクライナ映画人支援のための寄付を集めるクラウドファンディングが「ウクライナ映画人支援上映 有志の会」により行われ、目標額を上回る5,994,500円を
集め、3月29〜31日の3日間、東京・渋谷のユーロスペースとユーロライブで上映されています。

『アトランティス』では、近未来の2025年を舞台に、元兵士の“生”のはかなさと“愛”の尊さ、『リフレクション』では、“戦争のはじまりの2014年”に敵の捕虜となった外科医の運命が描かれていて、今年2月の侵攻のずっと以前から、ウクライナが戦争の脅威にさらされてきたことを知らしめてくれます。

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2019年東京国際映画祭で『アトランティス』が審査委員特別賞受賞し、授賞式にビデオメッセージを寄せたヴァレンチン・ヴァシャノヴィチ監督 (撮影:宮崎暁美)

◆『アトランティス』  原題:Атлантида|英題:Atlantis
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(C)Best Friend Forever

監督・脚本・撮影・編集・製作:ヴァレンチン・ヴァシャノヴィチ
出演:アンドリー・ルィマルーク、リュドミラ・ビレカ、ワシール・アントニャック

2025年、ウクライナ東部。ロシアとの戦争終結から1年。製鉄工場で働く元兵士のセルヒーは戦争で家族を亡くし、今も PTSD に苦しみ、唯一の友人であるイワンと射撃訓練を行っている。そのイワンも生きる気力を失い身投げしてしまう。さらに製鉄工場も閉鎖され、セルヒーは水源が汚染された地域に水を運ぶトラックの運転手になる。そんなある日、車の故障で立ち往生していたカティアという女性を助ける。戦争前には大学で考古学を学んでいたカティアは、今はブラック・チューリップというボランティア団体で戦死者の遺体の回収を行っているという。セルヒーも団体に加入し、カティアとともに各地の遺体発掘現場を回る。カティアと話すうちに、次第にセルヒーは生きる意味を取り戻していく・・・

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2019年東京国際映画祭審査委員特別賞受賞の折に監督に代わり、トロフィーを受け取ったセフヒー役アンドリー・ルィマルークさん (撮影:宮崎暁美)
冒頭、雪の中に立てた8体の人型を標的にしての射撃訓練。『アトランティス』のタイトルを聞いても思い出せなかったのですが、この場面を観て、2019年の東京国際映画祭で観たことをしっかり思い出しました。その時には、クリミア半島がロシアに取られたことはすっかり忘れていました。
本作は、この度のロシア侵攻前に描いた「戦争終結1年後」のウクライナ。
セルヒーが「ある日、普通の暮らしが突然終わった」と語る場面があります。ウクライナの人たちは、再び普通の暮らしを失ってしまいました。この映画のように、2025年には「戦後」であることを祈るばかりです。(咲)


2019年ヴェネチア国際映画祭オリゾンティ部門作品賞
2019年東京国際映画祭審査委員特別賞
2020年米アカデミー賞長編国際映画賞ウクライナ代表

2019年/ウクライナ映画/ウクライナ語/109分/シネスコ/デジタル5.1ch
日本語字幕:杉山緑  字幕監修:梶山祐治 字幕協力:東京国際映画祭

★公開初日6月25日(土)
12:50〜の『アトランティス』上映終了後
梶山祐治氏(筑波大学UIA)によるトークイベントが開催されます


◆『リフレクション』 原題:Відблиск  英題:Reflection
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©Arsenal Films, ForeFilms

監督・脚本・撮影・編集・製作:ヴァレンチン・ヴァシャノヴィチ
出演:ロマン・ルーツキー、アンドリー・ルィマルーク、ニカ・ミスリツカ

ロシアによるクリミア侵攻が始まった2014年の首都キーウ。
外科医セルヒーは、夜勤明けに娘ポリーナの12歳の誕生祝いの花束を持って、娘の「サバイバルゲーム」の会場を訪れる。元妻オルガと、その再婚相手のアンドリーも任地の前線から戻ってきてポリーナの誕生日に駆け付ける。ロシア軍の奇襲攻撃がひどいと語るアンドリーだが、1週間後には戦地に戻るという。セルヒーの勤めるキーウの病院にも負傷兵が次々と運ばれてくる。やがて、セルヒーは志願して前線に赴くが、道に迷って人民共和国軍の検問所に迷い込み、捕虜になってしまう・・・

東部戦線で人民共和国軍の捕虜となったセルヒーは、ひどい非人道的な拷問を受けます。なんとか命を助けてもらい捕虜交換でキーウに帰還するのですが、地獄を見てしまったセルヒーは、なかなか立ち直れません。アンドリーの消息は不明と家族には伝えられているのですが、実はセルヒーはアンドリーの消息を知っていて、それも苦悩の一つ。
娘ポリーナから、「アンドリーがドローンを買ってくれる約束をした。乗馬もさせてくれると言ってた」と言われると、それをアンドリーに代わって叶えることしかセルヒーにはできません。
映画には、移動式火葬場(車)の場面も出てきて、ドキッとさせられます。前線で亡くなった兵士を火葬しているのです。
ロシア侵攻後、成人男子の出国を禁じたウクライナ。ロシアもまた同じ。国を守るという名目で、人の命が失われていくことに虚しさを感じます。どうしたら戦争を終わらせることができるのでしょう・・・ (咲)


2021年/ウクライナ映画/ウクライナ語・ロシア語/126分/シネスコ/デジタル5.1ch日本語字幕:額賀深雪 字幕監修:梶山祐治


『アトランティス』&『リフレクション』 
協力:ウクライナ映画人支援上映 有志の会 
提供:ニューセレクト 
配給:アルバトロス・フィルム
公式サイト:https://atlantis-reflection.com/
★2022年6月25日(土)よりシアター・イメージフォーラム他にて全国順次公開


posted by sakiko at 18:21| Comment(0) | ウクライナ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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