監督・脚本:倉本朋幸
撮影:杉村高之
主題歌:クリープハイプ
出演:郭智博(彼)、古田結凪(ひいろ)、和希沙也(妻・かな)、冨手麻妙(彼の恋人・あい)、渡辺真起子(保育士)、美保純(彼の母・智子)、カトウシンスケ(彼の同僚・クラ)、後藤剛範 (彼の同僚・ポー)
夫婦は娘のひいろへの虐待が疑われ、娘と引き離される。養護施設へ入った娘は条件付きで戻ることになった。父親は実家に頼り、仕事も見つからずにいる。母親は勝手気ままで、娘との約束も果たせない。父親としての責任を感じる一方、恋人とあいまいな関係を続ける彼は、現状に苛立つと娘にあたってしまう。
彼も妻も親の自覚が無さすぎ、観ていてイライラしてしまいました。口先だけの母親、だらしない生活をしていながら娘に八つ当たりする父親、泣きもせず黙って従っている「ひいろ」が可哀想でなりませんでした。彼にはちゃんとした両親がいて育てられたはずなのに、なんでこうなってしまうのか。自分自身が一番どうしようもない、とわかっていてもがく「彼」、諦めたらダメ!と、思わず応援してしまいました。子どもを産んだ責任があります。
”おかん”からは、彼がまともな父親になれるようにとの必死の思いが伝わります。ふがいない息子に責任を感じたに違いない。美保純さんが彼のおかん、ひいろのばぁば役、時の流れを感じます。『男はつらいよ』でタコ社長の娘・あけみ役だったのは1984年~1987年。登場するとパッと場が明るくなりましたっけ。
私はやはり”ばぁば”に肩入れしましたが、若い人たちはいかがでしょうか? 親は子どもを育て、子どものおかげで親も育ちます。(白)
「お子様を車内に置き去りにしないでください」
先日、駅近くの駐車場の看板にふと目がとまりました。そこはパチンコ屋さんの専用駐車場。親がパチンコをしている間に、車の中で小さい子が亡くなったというニュースをよく目にするので、なるほどと!
本作の彼や妻かなも、自分の子に責任なさすぎ。「出来ちゃった」子なのかもしれませんが、産んだ以上は大事に育てなければ。
そして、「今日は大丈夫だから」と彼に迫った彼女あいも、あとからやってきて「出来たけど、自分一人で育てるから」というのも、あまりに勝手。結婚は神聖なものであるべきなどとは思いませんが、快楽の結果だとしても、生まれてきた子の人生を考えるべきでしょう。
美保純さんは、可愛いばぁば役でしたが、渡辺真起子さんはひいろの保育園の保育士でした。出番は短いながら、印象に残りました。(咲)
2019年/日本/カラー/87分
配給:Nabura
(C)TOM company
https://doushiyoumonai.jp/
★2022年6月25日(土)ロードショー
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