2022年06月19日

彼女たちの革命前夜  原題『Misbehaviour』

2022年6月24日(金) 
kino cinéma立川髙島屋S.C.館、シネ・リーブル梅田他全国順次公開
劇場情報
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© Pathé Productions Limited, British Broadcasting Corporation and The British Film Institute 2019

女性をモノのように品定めをするミス・ワールドの開催を阻止しようと活動した女性たち

監督:フィリッパ・ロウソープ
製作:スザンヌ・マッキー サラ・ジェーン・ウィール
原案・脚本:レベッカ・フレイン
脚本:ギャビー・チャッペ
撮影:ザック・ニコルソン
美術:クリスティーナ・カサリ
編集:ウナ・ニ・ドンガイル
音楽:ディコン・ハインクリフェ
出演
キーラ・ナイトレイ:サリー・アレクサンダー
ググ・バサ=ロー;ジェニファー・ホステン
ジェシー・バックリー:ジョー・ロビンソン
グレッグ・キニア:ボブ・ホープ
キーリー・ホーズ、レスリー・マンビル、リス・エバンス

1970年頃に起こった女性解放運動。女性を外見で評価し順位をつけるミスコンテストに対して女性差別だと訴え、美の基準について考えるきっかけを作った。
「ミス・ユニバース」「ミス・インターナショナル」と並び、世界三大ミスコンテストの一つである「ミス・ワールド」。1970年ロンドンのロイヤル・アルバート・ホールで開催された「ミス・ワールド世界大会」で、実際に抗議行動を行ったフェミニズム運動の活動家たちを題材に前代未聞の大騒動を映画化。
学び直すため大学に再入学をしたサリー。仕事、大学、家庭の忙しい毎日を送る中、女性解放運動の活動家であるジョーに出会う。彼女が所属するグループは「女性をモノのように品定めするミス・ワールド」を阻止するための計画を練っていた。一方、ミス・ワールドの主催者側は開催に向けた準備を進め、司会者にはアメリカのコメディアン、ボブ・ホープを起用。世界各国から出演者が続々と集結し、コンテストに向けたウオーキングの練習や、立ち振る舞いなどのレッスンも行われていた。カリブ海の島国グレナダから参加したジェニファーは自身の夢と自国の子供たちに自信を持たせるために出場をしたが、白人の出場者ばかりに注目が集まる状況に「優勝する見込みはないな」と、複雑な心境でいた。それぞれの想いが交差をする中、ミス・ワールドの当日を迎えた。当時、絶大な人気を誇っていた「ミス・ワールド」で実際に起きた前代未聞の大騒動を、女性活動家や大会の出場者、主催者の三方向から描いた。

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© Pathé Productions Limited, British Broadcasting Corporation and The British Film Institute 2019

ミス・ワールドの開催を阻止しようと活動する主人公のサリーを演じたのは、『ベッカムに恋して』(02)、『プライドと偏見』(05)、『はじまりのうた』(13)などのキーラ・ナイトレイ。ともに行動をする盟友のジョーには『ワイルド・ローズ』(18)、『ジュディ 虹の彼方に』(19)、『ドクター・ドリトル』(20)などのジェシー・バックリー。ミス・ワールドの代表の一人であるミス・グレナダのジェニファーには『女神の見えざる手』(16)のググ・バサ=ロー、司会者のボブ・ホープには『リトル・ミス・サンシャイン』(06)のグレッグ・キニアと、個性派俳優が脇を固めている。ドキュメンタリー作品の監督としてキャリアをスタート、テレビシリーズ「サード・デイ 〜祝祭の孤島〜」(20)などを手掛けたフィリッパ・ロウソープが監督を務め、ミス・ワールドを舞台にそれぞれの思惑が交差する群像劇を見事に描いた。

1970年代、日本でもウーマンリブの人たちが、問題提起する中に「ミスコン」はあったけど、1970年にイギリスの「ミス・ワールド世界大会」の場で、実際に抗議行動があったということは、この映画を観るまで知らなかった。1970年と言えば、私が社会人になった年、会社に入って、女性差別より以前に、学歴差別という壁を感じていた頃だったかもしれない。職業における女性差別を感じるようになったのはもう少しあとだった。もちろんそれまでに「女らしく」「女のくせに」というという言葉に表される女性差別は子供の頃から感じていて、そのことにかなり反発はしていた。
女性を姿、形で評価し、順位をつけるというミスコンテスト自体に興味はなかったので、全然無視して生きてきたから、世界三大ミスコンテストというのがあるとは、今回初めて知った(笑)。その後、「目的のある美」を掲げ、単なる美人コンテストからの脱却を図り、美貌のほかに知性や個性も選考基準に加えるように基準を改めたらしいので、1970年の彼女たちの行動も少しは効いているのかも。
1970年の「ミス・ワールドコンテスト」では、初めて黒人も出場し、最終的にグレナダ代表ジェニファー・ジョセフィン・ホステンが黒人女性初のミス・ワールド優勝者になったとのこと。そこから少しづつ変わっていっているということなのでしょう。でも「ミスコン」そのものはなくならず、今も続いている。それってどうなのと思う私です(暁)。


公式HP
2019年製作/107分/G/イギリス
提供:木下グループ 配給:キノシネマ
字幕翻訳:平井かおり
posted by akemi at 17:44| Comment(0) | 日本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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