2022年06月18日

神は見返りを求める

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監督・脚本:吉田 恵輔(吉は土に口が正式表記)
撮影:志田貴之
音楽:佐藤望
主題歌:空白ごっこ「サンクチュアリ」
挿入歌:空白ごっこ「かみさま」
出演:ムロツヨシ(田母神尚樹)、岸井ゆきの(川合優里)、若葉竜也(梅川葉)、吉村界人(チョレイ)、淡梨、柳俊太郎、

合コンで知り合った田母神尚樹(たもがみなおき)と川合優里。イベント会社に勤める田母神は人が良く誰にも優しい。いいように利用されても怒ることもない。優里は「ゆりちゃん」という底辺YouTuberだが、登録者数も再生数も伸びず全く評価されないことに悩んでいた。田母神はそんな彼女に献身的に協力して見返りも求めない。私の「神」と優里は大喜びし、2人はコンテンツ作りに熱中した。そのまま続くかに見えた2人だったが、あることをきっかけに関係が崩れてしまう。

吉田監督の脚本は原作ものもオリジナルも手掛けていて、見過ごしそうな小さなことに光を当てていたり、ひとことの台詞が忘れられなかったりします。キャストの視線も印象的です。
ムロツヨシさんは『ヒメアノ~ル』(2016)以来の吉田監督とのタッグです。初主演作として『マイ・ダディ』が公開されましたが、撮影に入ったのはこちらが先。いい人感たっぷりのムロさんが後半見せる黒イメージをお楽しみに。
ゆりちゃんが自分から離れていき、冷たくされて追い詰められる田母神の悲哀、好意を踏みにじられた落胆の深さ。「恩をあだで返すひどい女」ゆりちゃん役・岸井ゆきのさんは、前半と後半の差がすごい。田母神へ向ける笑顔がなくなり、田母神ならずとも「それはないでしょ」という豹変っぷりです。悪口垂れ流し男の若葉竜也さんの梅川にも腹が立ちます。無自覚に周りの人間関係を悪化させるこういう人が一番たちが悪い。どっちの味方もする若葉さんがうまい。
人の感情を容赦なく描き出すこの作品、SNSの使い方も考えさせられます。2021年進研ゼミが調査した”小学生がなりたい職業”1位がYouTuberだったそうです。スマホに親しんでいる子どもたちはよく見ていて、再生数が上がると広告料で高収入も望めると知っています。再生数や高評価を追求するあまり、一部の過激な行動がニュースになったこともありました。そんな世界の裏側がちょっと覗けます。アンドリュー・ガーフィールド主演の『メインストリーム』(2021)も人気YouTuberを目指して人気が上がるにつれ、人間が壊れていく映画でした。SNSに凝るのもほどほどに。生身の人を大事にしましょう。(白)
 

2022年/日本/カラー/ビスタ/105分
配給:パルコ
(C)2022 「神は見返りを求める」製作委員会
https://kami-mikaeri.com/
★2022年6月24日(金)よりTOHOシネマズ日比谷、渋谷シネクイント他全国ロードショー

posted by shiraishi at 13:15| Comment(0) | 日本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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