2022年06月11日
峠 最後のサムライ
監督・脚本:小泉堯史
原作:司馬遼太郎「峠」
撮影:上田正治、北澤弘之
美術:酒井賢
衣裳デザイン:黒澤和子
主題歌:「何処(いずこ)へ」石川さゆり
出演:役所広司(河井継之助)、松たか子(おすが)、香川京子(お貞)、田中泯(河井代右衛門)、永山絢斗(松蔵)、芳根京子(むつ)、坂東龍汰(小山正太郎)、榎木孝明(川島億次郎)、花輪求馬(花輪求馬)、AKIRA(山本帯刀)、東出昌大(徳川慶喜)、佐々木蔵之介(小山良運)、井川比佐志(月泉和尚 )、山本 學(老人)、吉岡秀隆(岩村精一郎)、仲代達矢(牧野雪堂 )
慶応3年(1867年)、大政奉還。260年余りに及んだ徳川幕府は終焉を迎え、諸藩は東軍と西軍に二分していく。
慶応4年、鳥羽・伏見の戦いを皮切りに戊辰戦争が勃発した。越後の小藩、長岡藩の家老・河井継之助は、東軍・西軍いずれにも属さない、武装中立を目指す。戦うことが当たり前となっていた武士の時代、民の暮らしを守るために、戦争を避けようとしたのだ。だが、和平を願って臨んだ談判は決裂。継之助は徳川譜代の大名として義を貫き、西軍と砲火を交えるという決断を下す。
妻を愛し、国を想い、戦の無い世を願った継之助の、最後の戦いが始まった……
人の上に立つ、率いる立場の辛さがわかる作品。河井継之助はグローバルな考えを持つ人で中立を保ち、仲介役をかって出たが成しえませんでした。旧恩を忘れず筋を通した結果、敵軍50,000人に、たった690人で立ち向かうことになった長岡藩。一時は落城、取返し、また敵の手に落ちることになりました。藩の規模のわりに戦死者が多いのは、熾烈な闘いを物語っています。
戦が始まる前の穏やかな日常や、夫婦仲睦まじい様子が丁寧に描かれます。最後の武士としての矜持を保った男たちは本望かもしれませんがが、夫や息子を送り出す女たちはさぞ無念であったでしょう。表には出さず声をしのんで泣いただろうと想像がつきます。
小泉堯史監督の時代劇作品は監督・脚本の『雨あがる』(2000)『蜩ノ記』(2014)、脚本の『散り椿』(2018)と観てきました。役所さんは『蜩ノ記』以来2度めの小泉組主演です。どちらも死なせるには惜しい人物で、侍の世界とは理不尽です。この『峠 最後のサムライ』を集大成とされるのでしょうか?コロナ禍で上映が延びましたが、新しく戦火の上がっているこの時期に公開されるのも意味のあることですね。(白)
2022年/日本/カラー/シネスコ/114分
配給:松竹、アスミックエース
(C)2020「峠 最後のサムライ」製作委員会
http://touge-movie.com/
★2022年6月17日(金)ロードショー
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