2022年05月29日
頭痛が痛い
監督・脚本:守田悠人
出演:阿部百衣子(島内いく)、せとらえと(佐藤鳴海)、鐘ヶ江佳太(浅井直樹)、山本華世子(宮下麻衣)、大友久志(佐藤隆之)、ナツメ(佐藤恵子)、杉山宗賢(工藤将也)
2018年東京。東京オリンピックに向けて、新国立競技場の建設が急ピッチで進んでいる。高校3年の鳴海は、不登校気味で学校へ行かずに今日も自撮りでライブ配信中。家にも学校にも居場所がない思いを抱えている。鳴海の同級生のいくは、優等生で友人の面倒見もいい。いつも明るく振舞っているが、実はなんともいえない憂鬱な気分から抜け出せない。ある日いくは、梶井基次郎の「檸檬」を真似て、知らない他人の郵便受けに自分の遺書を投函して回る。たまたま鳴海がそれを目にしていた。いくの遺書を郵便受けで見つけたライターの工藤は、手掛かりもないまま、探し出そうとする。
子どもから大人になる途中の思春期は脱皮したばかりで、心も身体も傷つきやすいのでしょう。しっかりつかまるものもない、安心できる場所も見つからず途方にくれている時期。誰もが必ずそこを通ってくるのに、硬い殻ができてしまって久しくそんな頃を忘れがちです。鳴海といくは同じ教室にいながら深く関わらずにいましたが、ある日から2人で「あの世」を目指すことにします。
周りの人々は2人の家出の理由や「死にたさ」を想像します。本人でさえ、正確に測れるものではないでしょう。今が辛い、未来が想像できない、自分も周りもいや、いっそいなくなりたい・・・が積み重なってしまうのかもしれません。そんな危うい時期を切り取っています。同年代の人、そのころを忘れずにいる人には深く刺さる作品。PFFアワード2020で審査員特別賞(白)
2020年/日本/カラー/16:9
配給:アルミード
(C)KAMO FILMS
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★2022年6月3 日(金)よりアップリンク吉祥寺にて他全国順次公開
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