2022年05月19日

犬王

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監督:湯浅政明
原作:「平家物語 犬王の巻」古川日出男著/河出文庫刊
脚本:野木亜紀子
キャラクター原案 :松本大洋
音楽:大友良英
アニメーション制作:サイエンスSARU
声の出演:アヴちゃん(女王蜂)、森山未來、柄本佑、津田健次郎、松重豊

室町の京の都、猿楽の一座に生まれた異形の子、犬王。周囲に疎まれ、その顔は瓢箪の面で隠された。
ある日犬王は、平家の呪いで盲目になった琵琶法師の少年・友魚(ともな)と出会う。名よりも先に、歌と舞を交わす二人。 友魚は琵琶の弦を弾き、犬王は足を踏み鳴らす。一瞬にして拡がる、二人だけの呼吸、二人だけの世界。
「ここから始まるんだ俺たちは!」
壮絶な運命すら楽しみ、力強い舞で自らの人生を切り拓く犬王。呪いの真相を求め、琵琶を掻き鳴らし異界と共振する友魚。乱世を生き抜くためのバディとなった二人は、お互いの才能を開花させ、唯一無二のエンターテイナーとして人々を熱狂させていく。頂点を極めた二人を待ち受けるものとは――?
歴史に隠された実在の能楽師=ポップスター・犬王と友魚から生まれた、時を超えた友情の物語。

原作を手にしたときに、その文体に「わ!」と驚きましたが、犬王の先が心配で読み進みました。湯浅政明監督&松本大洋さんの絵、それに、数々のドラマ(好き!)を書かれた野木さんの脚本です。アニメーションではこう表現されるのか~。
犬王は異形に生まれ、友魚は呪いによって目が見えなくなり…だからこそ出逢った2人です。自分の好きなものに向かって進む彼らの周りには、身過ぎ世過ぎにとらわれる人もいますが、2人はただただまっすぐ。犬王が一つのパフォーマンスを終えると、異形の身体の一つが取り戻せます。犬王ならば、生まれたままの姿でも、取り戻さずともきっと生き抜いただろうと思えます。
アヴちゃんの力強い声に、ライブを観ているような感覚になりました。実写の映像からアニメを起こしたのかな。原作、スタッフ、キャストそれぞれのファンが劇場で観たなら、今まで知らなかった別の世界の良さがわかるんじゃないでしょうか。(白)


平家の栄枯盛衰を描いた平家物語。
現代になってスピンオフ的に書かれた小説が原作です。
「そうはいっても能楽師と琵琶法師の話でしょ。何を歌っているのか意味が分からず眠くなるんじゃない?」なんて思った方にこそぜひご覧いただきたい! 湯浅政明監督がダイナミックな演出と音楽で映像化。歌詞の意味は聞き取れたところだけ分かれば大丈夫。ただリズムと空気感を体で楽しめばいいんです。思わず拳を突き上げ、足を踏み鳴らしたくなること請け合い。(でも映画館では堪えてくださいね)「それってこの時代でもできる?」といった仕掛けも出てきますが、よく見ると背景にちゃんと舞台装置が作られていて、リアリティにも配慮がされています。
見どころは音楽シーンだけではありません。呪いによって人とは異なる体つきで生まれてきた犬王が友魚と知り合い、お互いの良さを認め合う。自分とは違う人を受け入れるというテーマは今だからこそ考えたいこと。政治的な圧力を掛けられたとき、2人は正反対の決断を下しますが、それぞれの思いが伝わってきて、自分にとって大切なものを守ることの難しさを感じます。
この作品はいずれどこかの配信サービスで見ることが出来るかと思いますが、小さい画面で見るのではなく、大きなスクリーンで見てほしい。心からそう思える作品です。(堀)


2021年/日本/カラー/シネスコ/97分
配給:アニプレックス、アスミック・エース
公式サイト: https://inuoh-anime.com
公式Twitter:@inuoh_anime
(c)2021 “INU-OH” Film Partners
★2022年5月28日(土) 全国ロードショー
posted by shiraishi at 20:16| Comment(0) | 日本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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