2022年05月19日

瀬戸内寂聴 99年生きて思うこと

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監督:中村裕
製作:朝日新聞社、KADOKAWA、平成プロジェクト、スローハンド、クイーンズカンパニー、徳島新聞社、京都新聞、朝日放送テレビ
制作:スローハンド 
協力:曼陀羅山 寂庵
出演:瀬戸内寂聴

瀬戸内寂聴さん大正11年5月15日生まれ。 2022年5月15日で満100歳を迎えるはずだったが、2021年〈令和3年〉11月9日惜しまれつつ亡くなった。
本作は<生誕100年記念>として作られたドキュメンタリー。中村裕(なかむらゆう)監督は17年間、撮影し続けた。2015年にNHKスペシャル「いのち 瀬戸内寂聴 密着500日」(ATP賞ドキュメンタリー部門最優秀賞受賞)のディレクターもつとめ、長年、寄り添い続けた監督だから描ける<誰も知らない瀬戸内寂聴>、その金言の数々がスクリーンに映し出される。

小説家としての瀬戸内晴美さんはなんだか苦手意識がありました。ほとばしるようにたくさん書かれていた著書も1,2冊読んだだけです。ところが得度されてからは、赤裸々な欲望から遠くなったのかチャーミングになられました。長いお付き合いで気の置けない中村監督とのやりとりはなんだか可愛らしく、それまで私が抱いていたイメージがすっかり変わりました。登場するたび違うセーターを着ていた寂聴さん、デザインや色がまたどれも若々しく素敵です。
そんな中に夫や娘を捨てて家を出たことを悔いている場面もあり、この世でのいろいろを片付け、書きたいものを書き(まだ構想があったようですが)身軽になって逝かれたのかなと思いました。(白)


霜降り肉のすき焼きにステーキ、脂の乗ったトロやウニ、いくら。寂聴さんは本当によく召し上がる。肉を食べると頭がよくなるのよと和かに笑っていらっしゃるが、90代にになってもエネルギッシュに生きる活力はこの食欲が支えているのだろう。外食にも出掛けられ、天ぷらやスッポンのお店にスタスタと入っていかれた。蛍狩りで何度も足を運ばれた清滝と合わせて、隠れた京都のおススメスポットを紹介するグルメ番組のよう。
もちろん、寂聴さんの生き様そのものも映し出す。寂庵で月1回開かれていた講話では笑いを取りつつ、死生観が語られた。話を聞きたいと集まってくる大勢の聴衆の気持ちがよくわかった。機会があったら聞いてみたかったと思う。
それにしても表情豊かな寂聴さんにびっくり。zoomでの講話がうまくいかず、「裕さんに申し訳ない」と泣く寂聴さんはまるで純真な少女。子どもほど歳の離れた監督に恋心を抱いていたのが伝わってきました。生きる活力の源はそこにあったのかもしれません。(堀)


瀬戸内寂聴さんの小説は読んだことがないけれど、TVやラジオなどでの話や行動、活動は好きでした。ユーモアある語り口、本音でズバリいう所も好きです。瀬戸内晴美さんの生きた時代、女性が自分が生きたいように生きるというのは、かなり勇気のいること。若い頃から自身の考え方をぬいて生きてきたこと、あっぱれな生き方だと思います。そして得度してからの講話も味があります。参加した人の思いを汲んだ回答の仕方。長い経験から来るアドバイスの仕方、見事です。そしてかわいらしさを持っている人だなと思いました。
そして、17年に渡る取材でしっかり信頼関係を築いた中村裕監督だからこそ撮れた瀬戸内寂聴さんの素顔。ニュースや番組などでは観ることがない、自宅での誰も知らない寂聴さんの姿がたくさん映し出されていました。自宅での食事風景や執筆光景なども何度も映し出されていましたが、とにかくよく食べる。肉や海鮮。映し出されたのは贅沢な食風景。おいしそうな料理。専属の料理人がいたのかなとも思いました。秘書の方以外にもいつもいる方(お手伝いさん?)が映っていました。とんかつみたいな少し硬いものも食べていたので、きっと歯も丈夫だったのでしょう。歯が丈夫な方は長生きなのかもしれません。そういえば、女性報道写真家の草分け笹本恒子さんは、今、107歳!、90すぎからよくマスコミに出てきていたけど、やはりすき焼きや肉を食べ赤ワインを飲んでいて、これが元気の秘訣と言っていたけど、寂聴さんのこのドキュメンタリーを観て、ほんとにそうかもと思いました。
晩年も、忙しく執筆や講演など続をけ、「時間が足りない」と言っていました。リハビリも作業療法士さんが来て、やっていて続けていたのも長生きできた理由だったのかもしれません。「したいこと全部したから、いい人生だったと思う」と語っていましたが、私もそういう風に生き抜けたらと思いました(暁)。


2021年/日本/カラー/G/99分
(c)2022「瀬戸内寂聴 99年生きて思うこと」製作委員会
配給:KADOKAWA 
公式サイト
https://movies.kadokawa.co.jp/jakuchomovie/
★2022年5月27日(金)緊急公開!
posted by shiraishi at 19:59| Comment(0) | 日本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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