2022年05月07日
夜を走る
監督・脚本:佐向大
撮影:渡邉寿岳
出演:足立智充(秋本太一)、玉置玲央(谷口渉)、菜葉菜(谷口美咲)、高橋 努(本郷真一)、玉井らん(橋本理沙)、坂巻有紗(矢口加奈)、山本ロザ(ジーナ)、川瀬陽太(小西彰)、宇野祥平(美濃俣有孔)、松重 豊(キム・ジュンウ)
郊外のスクラップ工場で働くふたりの男。
ひとりは40 歳を過ぎて独身、不器用な性格が災いして嫌味な上司から目の敵にされている秋本。ひとりは妻子との暮らしに飽き足らず、気ままに楽しみながら要領よく世の中を渡ってきた谷口。
退屈な、それでいて平穏な毎日を過ごしてきたふたり。しかし、ある夜の出来事をきっかけに、彼らの運命は大きく揺らぎ始める……。
足立智充さんはこの映画で初めてお顔を覚えました。最初のほうの自信なさげな様子、ニューライフデザイン研究所で受け入れられてからの、妙な明るさと押しの強い様子が同じ人とは思えない変わりようでした。動きがなんだか違うのは、舞台に出ている方だからでしょうか。
玉置玲央さんは佐向大監督作『教誨師』では冷徹な若き死刑囚役、教誨師役が大杉漣さんでした。本作では、人あたりはいいものの実は姑息な計算をする男。一時の激情で手を出した秋本が発端ですが、それまでに積もり積もったものがあったのでしょう。谷口が正直なら、ほかに手段もあっただろうと秋本が気の毒になります。
2人とも起こったことをなかったことにはできません。この先は救われずに落ちていき、最初のボタンの掛け違いを悔やむはず。間違いに気づいたら、修復せよ。修復するなら早いうちと自分にも言い聞かせました。佐向大監督、次は生きる元気の出る映画を作ってください。(白)
2021年/日本/シネスコ/125分
配給:マーメイドフィルム、コピアポア・フィルム
(C)2021「夜を走る」製作委員会
http://mermaidfilms.co.jp/yoruwohashiru/
★2022年5月13日(金)ロードショー
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