2022年05月01日

オードリー・ヘプバーン(原題:Audrey)

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監督・脚本:ヘレナ・コーン
音楽:アレックス・ソマーズ
出演:オードリー・ヘプバーン、ショーン・ヘプバーン・ファーラー、エマ・キャサリン・ヘプバーン、リチャード・ドレイファス、ピーター・ボクダノヴィッチほか

オードリー・ヘプバーン(1929年5月4日ベルギー生まれ~1993年1月20日スイスの自宅で逝去)は『ローマの休日』(1953)のアン王女役に大抜擢、24歳の初の主演作でアカデミー賞主演女優賞受賞。以来ハリウッドの黄金期に活躍し、「永遠の妖精」と呼ばれ、世界中で愛され称賛を浴びることになった。俳優のメル・ファーラーと結婚し、ショーンを授かったが離婚。イタリア人精神科医アンドレア・マリオ・ドッティと再婚しルカを出産したが離婚。それぞれ10数年の結婚生活だった。1980年からオランダ人俳優ロバート・ウォルダースと同居し、亡くなるまで幸せに暮らした。幼い頃に父と別れ、戦争中の厳しい生活も耐え抜いたオードリー・ヘプバーンのドキュメンタリーはこれが初。生い立ちから出演作のエピソード、多くの友人知人、そして実の息子や孫の率直なコメントが紹介されている。

スターとはこの人!と言いたくなる美貌とスタイル。本人はみじんも思っていなかった、らしい。あんなに素敵なのに。最初の結婚は一回り上のメル・ファーラーだったので、父親と早くに離れたからかしらと推測したら、2度目は10歳年下のお医者さん。それぞれの相手との息子を一人ずつ出産するまでに流産を繰り返したそうなので、なんとしても子どもと家族がほしい人だったのかなと思います。映画界が放っておかないのも身体のためによくなかったでしょう。彼女の愛情深さは、後年ユニセフの親善大使となり、病をおして世界中の子どもを訪ね歩いたことにも表れています。
映画関係者が彼女を賞賛することばが続き、もう一度作品を見直したくなりました。息子のショーンや孫のエマがオードリーについて話すシーンには、あまりにも有名な人の血をひいているのも重いだろうなぁとつい考えてしまいます。面影も探してしまいますしね。亡くなってもうすぐ30年になります。ジバンシィのドレスを着こなすオードリー・ヘプバーン、まっすぐな視線、笑顔の弾ける彼女にスクリーンで再会しましょう。(白)


オードリー・ヘプバーンの生い立ちからスクリーンデビューのきっかけ、出演作での撮影エピソード、2度の結婚と破局、その後、ユニセフ国際親善大使として世界中を飛び回ったことをテンポよく描いています。『ローマの休日』以前の端役で出演した作品のアーカイブは本作でしか見られない貴重な映像でしょう。『ティファニーで朝食を』のエピソードは改めて作品を見たくなること必至です。
女優としての側面も映し出しますが、私生活のパートが多いのがこの作品の特徴でもあります。オードリーは元々、女優志望ではなく、バレリーナを目指していました。スクリーンデビューもしかし第二次世界大戦がオードリーに大きな影響を及ぼし、その夢を諦めることに。父親の裏切りも彼女にとってトラウマになったよう。辛い過去を乗り越えようとしたオードリーの踏ん張りが映画での華やかな成功に繋がったのかもしれません。(堀)


2020年/イギリス/カラー、モノクロ/ビスタ/100分
配給:STAR CHANNEL MOVIES
(C)2020 Salon Audrey Limited. ALL RIGHTS RESERVED.
https://audrey-cinema.com/
★2022年5月6日(金)TOHOシネマズシャンテ、Bunkamuraル・シネマほか全国公開
posted by shiraishi at 16:29| Comment(0) | イギリス | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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