2022年04月17日

カモン カモン(原題:C'mon C'mon)

カモンカモン日本版ビジュアル①.jpg

監督・脚本:マイク・ミルズ『人生はビギナーズ』『20 センチュリー・ウーマン』
撮影:ロビー・ライアン
音楽:アーロン・デスナー、ブライス・デスナー
出演:ホアキン・フェニックス(ジョニー)、ウディ・ノーマン(ジェシー)、ギャビー・ホフマン(ヴィヴィ)、モリー・ウェブスター(ロクサーヌ)、ジャブーキー・ヤング=ホワイト(ファーン)

ラジオジャーナリストのジョニーは、アメリカ中を回って子供たちにインタビューしている。気ままな独身で、ロサンゼルスに妹ヴィヴがいる。認知症を患っていた母が1年前に逝って以来、疎遠になっていた。ヴィヴは夫のポールとは別居中だが、彼の手助けをするためオークランドに出かけるという。ジョニーはその間、9歳になる甥のジェシーの世話を引き受ける。ジェシーは賢くてちょっと風変わりな子どもだった。ポールの問題は長引き、ジェシーを連れてニューヨークへ戻ることになった。

両親が亡くなれば、頼りになるのは兄弟姉妹か、近くの他人。ジョニーは子どもと暮らしたことはなかったけれど、妹の役に立ちたかったようです。溺愛された兄は(たぶんたまにしか会わない)母親の妄想に話を合わせられますが、理解されなかった妹は家庭を持ちながら一人で介護を担っていたのでしょう。諍いの原因はそのあたり。
ロサンゼルス、ニューヨーク、デトロイト、ニューオーリンズへとロケーションが移り、ジョニーのインタビューの現場が映ります。ここは脚本ではなく、ドキュメンタリーです。答える子どもたちの何と率直で聡明なこと。ろくに返答もしない大人に聞かせてやりたい。ジェシーからたくさんのことを尋ねられるジョニー、それまで言葉にしなかったあいまいなものと向き合うことになります。取り繕ったりするとすぐに見破られてしまいます。「ぎゃふん」というのは漫画だけかと思いましたが、ジョニーがまさにそうでした。たまに子どもと大人が逆転しています。
ホアキン・フェニックスが素晴らしい俳優なのはいうまでもありません。オーディションのアドリブ演技で天才だ!とうならせたという、ウディ・ノーマン、この子がすごい。成長期の不安定で「天使と悪魔が同居」しているような時期を、これは素!?かと思うほど自然に見せています。(白)


2021年/アメリカ/モノクロ/ビスタ/108分
配給:ハピネットファントム・スタジオ
(C)2021 Be Funny When You Can LLC. All Rights Reserved.
https://happinet-phantom.com/cmoncmon/
Twitter・Instagram:@cmoncmonmoviejp
★2022年4月22日(金)ロードショー
posted by shiraishi at 16:39| Comment(0) | アメリカ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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