2022年04月17日

ミューン 月の守護者の伝説(原題:Mune, le gardien de la lune)

MUNE_日本版KV.jpg

監督:アレクサンドル・へボヤン(『カンフー・パンダ』等)、ブノワ・フィリポン
音楽:ブリュノ・クレ
日本語吹き替えキャスト:大橋彩香(ミューン)、小野友樹(ソホーン)、武藤志織(グリム)、小林千晃(リユーン)、柿原徹也(グリムの父)、森嶋秀太(ネクロス)、蓮岳大(フォスフォ)

空想の世界に暮らす、青白くいたずら好きな森の子、ミューン。
ひょんなことから、夜を運び、夢の世界を守る『月の守護者』に選ばれたミューンだったが、何をするにも失敗ばかり。そしてとうとう月は失われ、太陽は冥界の王に盗まれてしまった。
世界に昼と夜を取り戻すため、ミューンはプライドの高い太陽の守護者ソホーンと、か弱い蝋人形の少女グリム(フランス語版では蝋を意味するシール)と共に旅に出る。これは素晴らしい冒険を経て、ミューンが伝説の守護者となるまでの物語。

Dream Works Pictures 出身のエボヤン監督と、犯罪アクション『略奪者』脚本家フィリポンがタッグを組んだファンタジー。宮崎駿、細田守ほか日本のアニメーションの影響を多大に受けたと言っているとおり、似ているキャラクターや映像が現れます。自分が作り手になれたとき、好きなものをとり入れて自分の味付けをしたくなりますよね。『もののけ姫』の森の神や『千と千尋の神隠し』のススワタリ(まっくろくろすけ)と似たキャラには思わずにっこりしてしまいます。
舞台はファンタジーですが、主人公の成長譚にとどまりません。異なる者同士が対決しても、双方の描写を忘れず、和解に至るまでを描いています。違いでなく、同じところ、共感できるところを探せば争いは減るはず。子どもたちと一緒に大人も観てほしい作品です。
東京アニメアワードフェスティバル(TAAF2015)にて優秀賞を受賞・フランス映画祭 in 横浜 2021 出品作品(白)


太陽と月、それぞれを聖獣と呼ばれる生き物が引っ張って動かし、聖獣をそれぞれの守護神が司る。その守護神の後継者選びにちょっとしたトラブルが起こって、予想外の存在だった主人公ミューンが月の後継者に選ばれます。突然のことに驚いた主人公は聖獣をうまく扱えず、月は軌道を外れてしまいました。
幼い子どもにも理解できるストーリーでありながら、大人をも満足させるのはフランスらしい、センスの良さを感じるキャラクターデザインと色合いのおかげ。月の守護神として成長していくミューンを見ていると、リーダーに必要な資質は腕力ではないことも伝わってきます。太陽や月を奪った悪者を成敗する勧善懲悪モノではなく、悪者にも更生の機会を与える辺りも含めて、今の世界のリーダーたちこそ見てほしい作品ではないかと思わずにはいられません。(堀)


=公開記念特別番組=
番組名: 仏アニメ映画「ミューン 月の守護者の伝説」公開記念 YouTube 生配信
日時: 4 月 23 日(土) 18:30-
出演: 大橋彩香(ミューン cv)、武藤志織(グリム cv)、森嶋秀太(ネクロス cv)
ゲスト:Julie (エンディング「Rescue me」歌手) MC:森遥香
https://www.youtube.com/c/RiskitMovie

2014年/フランス/カラー/シネマスコープ/85分
配給:リスキット
(C)Onyx Films-OrangeStudio-Kinology
https://mune-movie.com/
★2022年4月19日(火)より、日本語吹替え版/国際版 東京都写真美術館先行公開
2022年 5月20日(金)よりシネマート新宿、シネマート心斎橋を皮切りに全国順次公開


posted by shiraishi at 15:53| Comment(0) | フランス | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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