2022年03月26日

キャスティング・ディレクター ハリウッドの顔を変えた女性  原題:Casting By

casting director.jpeg
(C)Casting By 2012

監督:トム・ドナヒュー
製作:トム・ドナヒュー、ケイト・レイシー、イラン・アルボレダ、ジョアナ・コルベア
出演:マリオン・ドハティ、マーティン・スコセッシ、ロバート・デ・ニーロ、ウディ・アレン、クリント・イーストウッド、ロバート・レッドフォード、ダスティン・ホフマン、アル・パチーノ、メル・ギブソン、ジョン・トラボルタ、グレン・クローズ

キャスティング・・・
役にふさわしい俳優を選ぶという、映画にとって要の仕事。
だが、それが「仕事」として日の目をみることはなかなかない。
本作は、ハリウッドで長年活躍したキャスティングの先駆者マリオン・ドハティ(1923-2011)の軌跡をたどり、キャスティングという仕事の大切さに迫るドキュメンタリー。

マリオン・ドハティ(1923-2011)
1923年生まれ。大学卒業後にTVの配役アシスタントに就き頭角を現す。『裸の街』『ルート66』を手掛け、1964年『マリアンの友だち』で長編映画へ。代表作『俺たちに明日はない』『明日に向かって撃て!』『真夜中のカーボーイ』『ダーティハリー』『スティング』『レニー・ブルース』『レッズ』『グリース』『ガープの世界』『キリング・フィールド』『リーサル・ウェポン』『フルメタル・ジャケット』『バットマン』など。2011年 マンハッタンの自宅で死去。享年88歳。全米キャスティング協会は彼女の功績を称え、毎年授与する栄誉賞の一つに彼女の名を冠している。

冒頭、「映画監督の仕事の9割は、キャスティングの質で決まる」とマーティン・スコセッシ。
名だたる監督や俳優の語る言葉に、いかにマリオン・ドハティが的確なキャスティングをし、監督たちに信頼され、俳優たちからは感謝されたかを知ることができます。
そんな彼女が悔しい思いをしたことも。
『真夜中のカーボーイ』(1969年)で、ダスティン・ホフマンを『卒業』とは真逆のホームレス役にキャスティングしたマリオン。ジョン・シュレシンジャー監督は、マリオンから単独でキャスティングとしてクレジットするのが無理なら消してと言われ、名前を載せなかったことを45年間後悔していると語っています。
1976年、パラマウントにスカウトされ、ニューヨークからロスアンゼルスへ。3年後に社長が交代し、意見が合わなかったところへワーナーから声がかかり、社長は行かないでと引き留めるも、辞表を出してワーナーへ。
キャスティングは「直感」という信条通り、マリオン・ドハティの生き様は実に見事です。(咲)


2012年に米国で公開されキャスティングへの再評価と、その後にアカデミー賞が取り組む変革(2025年の第96回以降は作品賞候補に“インクルージョン(包摂性)”が評価条件に加わる等)にも重要な役割を果たしたと評価された注目作。2019年に英国アカデミー賞がキャスティング部門を新設したことも話題となり、今回が日本初公開。


2012年/アメリカ/89分/カラー/DCP
配給:テレビマンユニオン 配給協力・宣伝:プレイタイム
公式サイト:http://casting-director.jp/
★2022年4月2日(土)よりシアター・イメージフォーラムほか全国順次公開

posted by sakiko at 22:41| Comment(0) | アメリカ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
コチラをクリックしてください