2022年03月25日
スピリットウォーカー(英題:Spiritwalker)
監督:脚本:ユン・ジェグン
出演:ユン・ゲサン、イム・ジヨン、パク・ヨンウ
交通事故の現場で目覚めた男は、すべての記憶を失っていた。鏡に映る自分の顔も、名前も、全てがしっくりこない。しばらくすると、男はまた馴染みのない場所で目を覚ます。今度は先ほどとは違う顔で。やがて彼は12時間ごとに違う人間の体に入れ替わっていることに気づく。そして突如として、謎の女が彼に銃口を向ける。一体なぜ?何が起きているのか?そして本当の自分は何者なのか?自分が生きているのかさえ定かではない。真実を求めて走り始めた男は、やがて自分が巨大な陰謀の渦中にいることを知るのだが …。
ユン・ゲサンが自分が何者を探す男の役。「自分探し」というような悠長なものではなく、命を狙われています。誰かの「身体」に男の「魂」が入りこみ、それもずっとではないのがミソ。鏡に映って初めてどんな姿をしているのかがわかります。ユン・ゲサンが1人走り回りますが、サンチョ・パンサのごとく手助けするのが、最初の事故現場で救急車を呼んでくれたホームレス。このときだけがちょっと息がつける時間です。観ていたら、ユン・ゲサンはこの作品中一度も飲んだり食べたりのシーンがありません。それどころじゃないという緊張感が続く作品でした。ときどき今誰なのかわからなくなるのですが、迫力のアクションシーンを観ていると細かいことはよくなります。
世界中で数々の映画祭に招待され「革新的なSFアクション!」として話題になった本作は、ハリウッド・リメイクが決定。(白)
本作を観て思い出したのが、『ビューティー・インサイド』(2015年 ペク・ジョンヨル監督)。眠りから覚めると中味は同じまま、外見が別の人間に変わってしまう18歳の女性ウジンの物語。毎朝、性別も年齢も人種までもが違うので、くらくら。本作のユン・ゲサン演じる男は、12時間ごとに外見が変わるのですから、さらに目まぐるしいです。鏡に映るのは、他人の顔なのに、鏡を見ているのは自分(ユン・ゲサン)という、なかなか面白い撮り方をしています。うまく背格好の似た俳優をそろえたものです。(咲)
2021年/韓国/カラー/シネスコ/108分
配給:クロックワークス
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https://klockworx-asia.com/spirit/
★2022年4月1日(金)ロードショー
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