2022年02月26日
ブルーサーマル
監督・脚本:橘正紀
脚本:橘正紀、高橋ナツコ
原作:小沢かな「ブルーサーマル ―青凪大学体育会航空部―」(新潮社バンチコミックス)
キャラクターデザイン:谷野美穂
主題歌:「Blue Thermal」SHE’S(ユニバーサル ミュージック)
挿入歌:「Beautiful Bird」SHE'S(ユニバーサル ミュージック)
アニメーション制作:テレコム・アニメーションフィルム
声の出演:堀田真由、島崎信長、榎木淳弥、小松未可子、小野大輔
白石晴香、大地葉、村瀬歩、古川慎、高橋李依、八代拓、河西健吾、寺田農
バレーボール一筋の高校生活を送ってきた都留たまきは、憧れの東京の大学に合格した。これからはキラキラのキャンパスライフだ!と期待一杯で長崎から上京。サークルの勧誘を見て回っているうち、ひょんなことで高額なグライダーを傷つけてしまう。弁償のため"体育会航空部”の雑用係をするはめになった。思ってもみなかった展開に「こんなはずじゃなかった」と不満なたまきだったが、主将の倉持潤に誘われ、初めて”空”を飛び、その美しさに感動する。
”サークル活動で空を飛ぶ”というと、「鳥人間コンテスト」に挑む『トリガール』(2017/英勉)を思い出します。土屋太鳳さん主演の実写版で、人力飛行機で琵琶湖の上を滑空してその距離や滞空時間を競うものでした。コンテストのテレビ番組を見ていたので、裏側が見られてとても面白かったのでした。
さて、こちらはアニメーション。グライダーで飛ぶ大学生たちを描いています。今まで知らなかったことが次々と目の前に現れるので、たまきと同じように魅了されました。倉持先輩はたまきの意外な素質に気づいて、バックアップします。ここで、贔屓するなとか邪魔が入りそうですが、天真爛漫なたまきの性格と開花していく才能でチームの一員になっていきます。
グライダーはエンジンがなく、上昇気流(サーマル)を捕まえてそれに持ち上げてもらい、上がることができます。その日の風、雲など周りの状況を観察して機体を操縦し、長い距離を飛んで着陸するまで安全に行われないといけません。ピーカンの青空だと強いサーマルが生まれますが、それは体感で捕まえるのだそうです。
新入部員になった気分で、青空に飛び出すのは閉塞感いっぱいのこの時期余計に心地よいです。アニメーションが作り出した浮遊感、ヴォイスキャストの元気な声をぜひ劇場でお楽しみください。(白)
東京で大学生になったら、サークルに入って、素敵な恋をして…。そんな思いで地方から上京した主人公に自分を重ねてしまう人も多いかもしれません。何かと文句をつけてくる1つ上の先輩、失敗も受け入れてくれる幹部学年の先輩、一緒に雑用をしながら絆を結んでいく同期。たまきの奮闘に共感しつつ、懐かしい大学生活を思い出し、当時は黒歴史だったことも、今となってはいい思い出になっていることに気がつくのではないでしょうか。(堀)
2022年/日本/カラー/103分
配給:東映
(C)2022「ブルーサーマル」製作委員会
https://blue-thermal.jp/
★2022年3月4日(金)公開
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