2022年02月06日

北風アウトサイダー

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監督・脚本・プロデューサー:崔哲浩
出演:崔哲浩  櫂作真帆  伊藤航  上田和光
浦川奈津子 遠藤綱幸 佐野いずみ 新宮里奈 梅津翔 田中あいみ 秋宮はるか
千賀多佳乃 福本翔 玉木惣一郎 松田俊大 杉浦豪 大原広基 許秀哲 及川欽之典 森本姫愛 丹春乃 菊地玲緒 岡部浬功 黒田焦子 藤代麻美 永田もえ
永倉大輔  松浦健城  竜崎祐優識  並樹史朗  岡崎二朗

大阪・生野区にある在日朝鮮人の町。
オモニ食堂を切り盛りしていたオモニ(お母さん)が亡くなり、自宅の座敷で身内だけの葬儀が行われていた。次男・チョロと妻・朱美、三男のガンホと彼女のユナ、長女のミョンヒと彼氏の透。そして、食堂で働く和希。15年前に失踪した長男・ヨンギは葬儀にも現れない。僧侶の読経に、皆がオモニに思いを馳せている最中、オモニに世話になったという祥子が焼香させてくださいと現れる。僧侶の配慮で座敷にあがる祥子。
オモニが店のためにした借金を残していて、途方に暮れる兄弟たち。ヨンギの親友で、オモニと食堂を愛するヤクザの清田も、なんとか店を残そうと尽力してくれる。
そんなある日、15年ぶりに長男・ヨンギが帰ってくる。変わり果てた姿に当惑する兄弟たち。家族の絆は取り戻せるのか、そしてオモニ食堂を守れるのか・・・

「朝鮮人も日本人もみんな人間だから、仲良くできる時代が必ず来る」というオモニ(母)の言葉を胸に、4人兄妹が、オモニ食堂で一緒に働く仲間や、日本のヤクザの組に入った旧友らと協力し、店の借金返済や一方的な価値観を押し付ける在日朝鮮統一連合会などの難題に挑む群像劇。

長男・ヨンギを崔哲浩監督自身が演じた以外、在日コリアンを演じた方たちは日本人の役者でしたが、しっかり在日に見えました。在日も日本人も変わりはないという証でしょう。
それでも、在日の方たちが差別や偏見を受けている実情があります。この映画の物語の8割ほどは、崔監督自身の経験や、周りの在日の実話とのこと。

次男・チョロが日本人の朱美と結婚したいとオモニに告げた時、オモニは「こんな出来損ないと結婚してくれるなんて」と大歓迎。なのですが、朱美は不妊症と判明。泣いて謝る朱美にオモニは優しく接します。その後、長男・ヨンギの妻が生まれたばかりの娘を残して逝ってしまい、娘ナミをチョロ夫妻の養女に。そのナミが大学進学にあたって、日本の大学よりも朝鮮大学に進学したいと願うのですが、日本で認可されていないので学費が高い上に、卒業しても朝鮮銀行など狭い選択肢しかないことで親が心配します。
葬儀で始まった本作、在日であることの悩みや問題を織り込み、三男ガンホとユナの結婚式で華やかにフィナーレを迎えます。日本の生活様式に馴染みながらも、どこかにコリアンであることも感じさせてくれる在日の人たちの暮らしを垣間見せてくれました。 登場人物が多くて、関係性をのみこむのにくらくらするのですが、それもまた楽し♪(咲)


2021年/日本/5.1ch/DCP/150分
配給:渋谷プロダクション 
©2021 ワールドムービーアソシエーション
公式サイト:https://www.kitakaze-movie.com
★2022年2月11日(金)〜 シネマート新宿ほか、全国順次ロードショー!



posted by sakiko at 12:28| Comment(0) | 日本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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