2022年02月06日
西成ゴローの四億円
監督・脚本:上西雄大
製作総指揮:奥山和由
挿入歌 「寂(レクイエム)唄」「西成 TOWN」唄:西成の神様
出演:上西雄大、津田寛治、山崎真実、波岡一喜、徳竹未夏、古川藍、奥田瑛二
大阪の西成に住む、日雇い労働者・土師晤郎(上西雄大)は、「人殺しのゴロー」と呼ばれて、皆から頼られる存在だ。本人は記憶を失っていて、なぜここ釜ヶ崎で暮らしているのかわからない。ある日、いざこざから頭に大怪我をして手術し、一部記憶が戻る。元妻・片桐真理子(山崎真実)と再会し、かつて元政府諜報機関ヒューミントの工作員だったと聞かされる。娘が難病で心臓移植する以外に助かる方法が無いが、4億円の費用の援助を受けようにも、父親が殺人犯であることが障害になっていると言われる。妻が大学教授を辞め、SM の風俗嬢をしながら娘の延命費を稼いでいることを知り、どんなことをしてでも4億円稼ぐと、ゴローは奔走する・・・
上西雄大監督自身が演じるゴローは、記憶喪失のせいか、上西雄大ご本人の人柄のせいか、人殺しをするような強面に見えません。
とてつもない力をもつフィクサー・莫炉脩吉役の奥田瑛二は、さすがの迫力。諜報機関ヒューミントの同僚だった日向誠也役の津田寛治も、負けず劣らずの迫力。
登場する人ごとに、所持金、貯金、借金の額などが囲みで表示されます。貯金3億や4億の人たちが、所持金も貯金もない輩から、借金を取り立てるという構造。金のある者は、さらに蓄財し、金のない者は、雪だるま式に借金が増える・・・ 世の常とはいえ悲しい現実。ゴローは娘のために、どうやって4億円を作るのでしょう。本作は前編。まだ4億には程遠いのです。顛末は、後編『西成ゴローの四億円 死闘篇』でどうぞ! (咲)
『ねばぎば 新世界』を観て以来、上西雄大監督の次作が気になっていました。ほんとに諜報機関があるのかどうか知りませんが、出張の多すぎる公務員の妻がいたらちょっと疑ってみましょう(笑)。音と一緒に表示される金額を思わずしげしげと見てしまいました。あるところにはきっとあるんでしょう。心臓手術と費用の話で『五億円のじんせい』(2019)を思い出しました。善意の募金で命が助かった男の子が生き方に悩むのです。
この映画では一人娘のために、両親が身体を張ってお金を作ります。ゴローは妻子に負い目があり、娘のためなら命も惜しみません。手始めに身体の一部で金策。その値段は高いか安いか?自分の金銭感覚も試されます。(白)
2021 年/日本/カラー/104 分/G
企画・製作:10ANTS
配給:吉本興業 チームオクヤマ シネメディア
©上西雄大
公式サイト:https://goro-movie.com
★2022年1月29日(土)より大阪先行上映、2月12日(土)より新宿K'sシネマほか全国順次ロードショー
この記事へのコメント
コメントを書く
コチラをクリックしてください