2022年01月23日

テレビで会えない芸人

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監督:四元良隆、牧祐樹
プロデューサー:阿武野勝彦
撮影:鈴木哉雄
音楽:吉俣良
音響効果:久保田吉根(くぼた・よしね)
クレジットアニメーション:加藤久仁生
出演:松元ヒロ

テレビで会えない芸人—
その生き方と笑いの哲学から、いまの世の中を覗いてみる。
モノ言えぬ社会の素顔が浮かび上がる。

今日のメディア状況に強い危機感を募らせていたのは、松元の故郷鹿児島のローカルテレビ局。2019年の春から松元ヒロの芸とその舞台裏にカメラが張りついた。監督は鹿児島テレビの四元良隆と牧祐樹。プロデュースを手掛けたのは『ヤクザと憲法』『さよならテレビ』などの衝撃作を世に送り出してきた東海テレビの阿武野勝彦。なぜ松元ヒロはテレビから去ったのか? なぜテレビは松元ヒロを手放したのか? そして本作はその答えを見つけられたのか?

鹿児島テレビ放送のドキュメンタリー番組「テレビで会えない芸人」は「第58回ギャラクシー賞」テレビ部門の優秀賞、「2020年日本民間放送連盟賞」の「番組部門 テレビエンターテインメント番組」最優秀賞、「第29回FNSドキュメンタリー大賞」大賞。受賞後全国で再放送があったそうですが、なんと放送時間は午前四時頃から。録画した方もいるかと思いますが、これではたいていの人が見たくても見られません。そこで「映画にしましょう」と決めた鹿児島テレビ放送さん、テレビ局を越えて参加した阿武野勝彦プロデューサーはエライ!
渋谷を歩く、一人でネタを考える、稽古場で愛妻お結びを食べながら稽古に励む、故郷鹿児島へ行く、懐かしい人に会う…密着したカメラはいろんな松元ヒロさんを見せてくれます。もちろん舞台でのヒロさんも映します。
忖度、気遣いばかりのメディアに慣れたらいけません。ヒロさんが主戦場に選んだ舞台で、笑顔で突っ込む政治・社会ネタは嘘でもオーバーでもありません。私たちが毎日の暮らしで「変だぞ、おかしいな、なんで?」と考えていることです。弱者の立場で強者に向かい、はっきり口に出してくれるので、大笑いしながら「よくぞ言ってくれた!」「あー、すっきりした!」となります。だから満席になるんですよね。
映画の中で「憲法くん」の名調子が聞けます。こんなにまっすぐで真面目で研究熱心で、お話が面白い方を以前取材で独り占めしました。今更ながらなんと贅沢だったことかと感謝×感謝。みなさまも映画でヒロさんの人となりを知って、その話芸を楽しんでくださいまし。(白)


●『誰がために憲法はある』「憲法くん」原作:松本ヒロさんインタビューはこちら

2021年/日本/カラー/81分
配給:東風
(C)2021 鹿児島テレビ放送
https://tv-aenai-geinin.jp/
★2022年1月29日(土)よりポレポレ東中野にてほか全国順次公開

posted by shiraishi at 16:29| Comment(0) | 日本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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