2022年01月22日
殺すな
監督:井上昭
原作:藤沢周平「橋ものがたり」
脚本:中村努
撮影:南野保彦
音楽:遠藤浩二
出演:中村梅雀(小谷善左エ門)、柄本佑(吉蔵)、安藤サクラ(お峯)、中村珠緒(おはな)、本田博太郎(利兵衛)
長屋で筆作りをしている浪人の小谷善左エ門は、船頭の吉蔵から一緒に暮らしているお峯の様子を見ていてくれと頼まれる。2人は元船宿の女将と抱え船頭だったが、密通した挙句駆け落ちしてきたのだった。初めの熱も冷めてきたお峯は、隠れ住むのに飽いてきて毎日のように橋のたもとに佇んでいる。橋を渡って向こうで気晴らしをしたいのだ。吉蔵はお峯が元の亭主のところに戻ってしまうのでは、と心配で仕方がない。
小谷善左エ門はお峯に筆作りを手伝わせながら、昔、自分が妻を手にかけたことを悔いていると打ち明ける。
長屋住まいの人々の人情話は多いですが、こちらは物悲しい空気が漂います。過去を悔いて生きる浪人を中村梅雀さん。妻が残したおさえ帯を大切にそばに置いています。現代ものにもよく出演されますが、やはり時代劇では姿勢と立居ふるまいの美しさが際立ちます。柄本佑さんと安藤サクラさんは駆け落ちしてきた二人ですが、実際にご夫婦です。この設定にどう臨んだのでしょう。お峯さんがたいへんに色っぽくて、これは片時も目が離せなくなるね、と吉蔵に同情してしまいます。
藤沢周平原作の「橋ものがたり」のうちの一篇。時代劇専門チャンネルでは藤沢周平の原作を多数映像化しています。2022年2月1日に初放送するのに先駆けて1月28日から劇場上映します。大きな画面で井上昭監督の最後の時代劇をご覧ください。井上監督は1月9日93歳で亡くなられました。(白)
2021年/日本/カラー/シネスコ/52分
配給:イオンエンターテインメント
(C)「殺すな」時代劇パートナーズ
https://www.jidaigeki.com/korosuna/
★2022年1月28日(金)イオンシネマにてロードショー
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