2022年01月07日

フタリノセカイ

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監督・脚本:飯塚花笑
撮影:根岸憲一
音楽:小野川浩幸
出演:片山友希(今野結)、坂東龍汰(小堀真也)、松永拓野(添田俊平)、関幸治(内田勇人)、クノ真季子(小堀華子)、嶺豪一、持田加奈子

保育園に勤めるユイと実家の弁当屋を手伝っている真也は、出会ってすぐに恋に落ちた。
付き合い始めた2人は将来結婚する約束を交わし、幸せな日々を過ごしていたが、真也にはユイに伝えていないことがあった。それは、体は女性、心は男性のトランスジェンダーだということ。真也が時折見せる思い詰めた顔に不安を感じていたユイは、ある時その理由を知る。

20代初めに出逢った2人の10年間を描いています。一目ぼれの瞬間、交際中の幸せなエピソードや諍い、結婚や出産に対するくい違いなどは、トランスジェンダーとシスジェンダーのカップルでなくとも経験することです。
真也がトランスジェンダーであることで経験したことや想いは、想像することしかできません。けれども知ろうとするのと、関わりがないからとスル―するのとでは大きな違いがあります。次から次へと壁が立ちはだかってくる2人が10年探した「フタリノセカイ」の幸せは2人だけのもの。登場するいろいろな人の言葉に共感したり考えたりしながら、自分のそばにいるかもしれないLGBTの人たちの存在もちょっと想像してみたらいかがでしょう。さまざまな選択を繰り返して生きていく私たちですが、自分を大切にするように、他の人の選択や生き方も尊重したいなと思った作品でした。
真也を理解したいユイに片山友希さん、昨年公開の『茜色に焼かれる』でのケイ役、公開中の『弟と僕とアンドロイド』でも謎の女子高生と印象的な役。
初めてのトランスジェンダー役に挑戦した坂東龍汰さんも出演作が続いています。『スパイの妻』『#ハンド全力』『犬鳴村』『静かな雨』『閉鎖病棟 それぞれの朝』など派手ではないけれど、息遣いの感じられる役でした。先が楽しみな若手2人です。(白)


●飯塚花笑監督インタビューはこちら
●公開記念舞台挨拶はこちら

2021年/日本/カラー/83分
配給:アークエンタテインメント
(C)2021 フタリノセカイ製作委員会
https://futarinosekai.com/
★2022年1月14日(金)新宿シネマカリテほか全国順次ロードショー
posted by shiraishi at 15:14| Comment(0) | 日本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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