2021年12月11日
夜空に星のあるように 原題:Poor Cow
監督・脚本:ケネス(ケン)・ローチ(『麦の穂をゆらす風』『わたしは、ダニエル・ブレイク』)
原作・脚本:ネル・ダン
製作:ジョセフ・ジャンニ
製作協⼒:エドワード・ジョセフ
撮影:ブライアン・プロビン
編集:ロイ・ワッツ
⾳楽:ドノヴァン
出演:テレンス・スタンプ(『イギリスから来た男』)、キャロル・ホワイト、ジョン・ビンドン、クイーニ・ワッツ、ケイト・ウィリアムス
ケン・ローチ監督の長編映画デビュー作。
ロンドンの労働者階級に生まれた18歳のジョイ。泥棒家業のトムと結婚し妊娠。出産の日、トムは病院に来ないどころか、狭い家に帰ると一日早く帰ったと怒られる。トムに大金が入り、広い家に引っ越すが、やがてトムは仲間と仕組んだ強盗に失敗して逮捕されてしまう。ジョイは息子のジョニーを連れて叔母の家に身を寄せる。トムの強盗仲間のデイヴが訪ねてくる。ジョイは優しいデイヴに惹かれ、一緒に暮らすようになる。ジョニーのことも実の息子のように可愛がってくれるが、デイヴも逮捕され、懲役12年の刑となってしまう。ジョイは、パブで働き始める。デイヴに手紙を書き続け、出所したら、一緒に暮らしたいとトムとの離婚手続きも始める。だが、トムが出所し、結局、トムと暮らし始める。半年は幸せだったけれど、そんな日も長くは続かなかった・・・
社会的弱者に寄り添った作品を作り続けてきたケン・ローチ監督。 初の長編では、泥棒稼業とわかっている男と暮らす健気で明るいジョイの姿を描き出しています。冒頭の出産シーンは圧巻。生まれて来る子は母親を選べません。母親のステータスで育つ環境も決まってしまいます。そこから抜け出せるかどうかは、成長過程での本人次第ですが、ジョニーに泥棒家業は継いでほしくないなぁ~と。
今年1月に公開されたジェームズ・マーシュ監督の『キング・オブ・シーヴズ』も、実在の窃盗団をモデルにした映画でした。イギリスには、職業欄:泥棒があるのかと思うほど!
ジョイは、夫にあっけんからんと、「今度はどこを襲ったの?」と聞くのですが、ケン・ローチ監督は、【泥棒とは結婚するな】と小見出しをつけています。 でも、そうして生きていくしかない悲しさでしょうか。(咲)
『夜空に星のあるように』特報youtubeリンク
https://youtu.be/PM7twl1KguA
1967年/イギリス/ヨーロピアン・ビスタ/カラー/102分
配給:コピアポア・フィルム 提供:キングレコード
©1967 STUDIOCANAL FILMS LTD.
公式サイト:https://yozoranihoshi.com/#pageTop
★2021年12月17日(金)より新宿武蔵野館ほか全国順次公開·
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