2021年12月10日

偶然と想像

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監督・脚本:濱口竜介
撮影:飯岡幸子
出演:古川琴音(芽衣子)、中島歩(彼)、玄理(つぐみ)、渋川清彦(瀬川)、森郁月(奈緒)、甲斐翔真(佐々木)、占部房子(夏子)、河井青葉(あや)

「魔法(よりもっと不確か)」
 撮影帰りのタクシーの中、モデルの芽衣子は、仲の良いヘアメイクのつぐみから、彼女が最近会った気になる男性との惚気話を聞かされる。つぐみが先に下車したあと、ひとり車内に残った芽衣子が運転手に告げた行き先は──。

「扉は開けたままで」
作家で教授の瀬川は、出席日数の足りないゼミ生・佐々木の単位取得を認めず、佐々木の就職内定は取り消しに。逆恨みをした彼は、同級生の奈緒に色仕掛けの共謀をもちかけ、瀬川にスキャンダルを起こさせようとする。

「もう一度」
 高校の同窓会に参加するため仙台へやってきた夏子は、仙台駅のエスカレーターであやとすれ違う。お互いを見返し、あわてて駆け寄る夏子とあや。20年ぶりの再会に興奮を隠しきれず話し込むふたりの関係性に、やがて想像し得なかった変化が訪れる。

タイトルの”偶然と想像”を共通テーマに全く違う色合いの短編3本。昨年の『ドライブ・マイ・カー』に続いて国内外での受賞多数。
1本目、世間は意外に狭くて、ありえるかも。でもあったら気まずいと思う設定。古川琴音さんが不思議ちゃんタイプの生々しくない女の子。
2本目、反対にやたら官能的な朗読に、現場の人はどうしていたのかと気になりましたた。人目に触れたくないものをメールで送ってはいけません。とてもまじめでニコリともしない渋川さんが珍しい。 
3本目、一番親近感あり、これはありそうです。ネットウィルスのためあらゆる機密情報が流失してまだ復旧できず、通信手段は数十年前に逆戻りしている、というのがミソ。2人の女優さんが良くて好きな短編でした。皆さんのお好みは?(白)


『偶然と想像』は、2021年の東京フィルメックスのオープニング作品として上映され、上映前に濱口竜介監督をはじめ、第一話「魔法(よりもっと不確か)」に出演の古川琴音さん、玄理さん、第二話「扉は開けたままで」に出演の渋川清彦さん、甲斐翔真さん、第三話「もう一度」に出演の占部房子さん、河井青葉さんが登壇し、舞台挨拶が行われた。

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2021年東京フィルメックス舞台挨拶の写真
前列左から 古川琴音さん、渋川清彦さん、占部房子さん、濱口竜介監督
後列左から 玄理さん、甲斐翔真さん、河井青葉さん

上映後のQ&Aで

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中島歩さんと濱口竜介監督

「偶然と想像」ベタなタイトルだけど、人生、想像もしなかったことが偶然起きるということが時々ある。そんな人生においての事象を切り取った作品。あるいは偶然起こったことを利用して新しく「創造」された作品ともいえる。こんなことあるかもと思わせる。撮影は飯岡幸子さん。濱口監督は、この作品の撮影は彼女に頼みたかったとQ&Aで答えていたけど、彼女の撮影した作品が来年早々2本公開される。
*『春原さんのうた』2022年1月8日、『三度目の、正直』2022年1月下旬
日本の映画界での女性撮影者は女性監督以上に少ないと思うが、芦澤明子さんに続く撮影監督としてぜひ日本の映画界の中で活躍していってほしい(暁)。

第71回 ベルリン国際映画祭(2021年)審査員グランプリ(銀熊賞)受賞
ナント三大陸映画祭 グランプリ(金の気球賞)と観客賞
第17回CineFest ミシュコルツ国際映画祭 エメリック・プレスバーガー
第22回東京フィルメックス 観客賞を獲得
シカゴ国際映画祭 シルバー・Q・ヒューゴ賞

2021年/日本/カラー/1.85:1/5.1ch/121分
配給:Incline
(C)2021 NEOPA / Fictive
https://guzen-sozo.incline.life/
★2021年12月17日(金)Bunkamuraル・シネマほかロードショー

posted by shiraishi at 21:53| Comment(0) | 日本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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