2021年12月10日
雨とあなたの物語(英語題:Waiting for Rain)
監督:チョ・ジンモ
出演:カン・ハヌル(ヨンホ)、チョン・ウヒ(ソヒ)、カン・ソラ(スジン)
2003年韓国、ソウル。将来に夢も目標も持てない予備校生のヨンホは、長い間大切にしてきた記憶の中の友人に手紙を書いた。
プサンで暮らす女性ソヒは進学せず、母と一緒に古本屋を営んでいる。ソヒの姉ソヨンにヨンホからの手紙が届く。病気の姉に代わってソヒは返事を書く。”質問しない、会いたいと言わない、会いに来ない”という条件つきで。思いがけない返事にヨンホは喜び、また手紙を書く。2人の手紙のやりとりは退屈だった日常を色鮮やかに染めていく。やがてヨンホは「12月31日に雨が降ったら会おう」という提案をする。
カン・ハヌル、『ミッドナイト・ランナー』(17年)以来4年ぶりの映画出演です。この間兵役につき、除隊してNetfrix人気ドラマ「椿の花咲く頃」に主演。これは市井の人々の暮らしや喜怒哀楽(主人公は警官なので、殺人事件もありますが)を丁寧に描いて、作品もキャストも高評価を得、大ヒットしました。
脚本で出演を決めるというカン・ハヌル。本作もヒーローでも御曹司でもない”普通の青年”の真面目な恋を描いています。カン・ハヌルは目立ってしまいそうですが、そこは演技力でオーラを消してしまうのでしょう。チョン・ウヒは、行動的な予備校生スジンを演じたカン・ソラと『サニー 永遠の仲間たち』で共演。カン・ソラはドラマ「ミセンー未生ー」(14年)でカン・ハヌルとインターン同期生役で共演していました。
スマホやメールのない時代、時間のかかる手紙だからこそ届くのを楽しみに、心を繋げていたヨンホとソヒでした。今はなんでも「すぐ」です。便利と引き換えに、私たちは何かを失ってしまったようです。
手紙を待つ、雨の降るのを待つ、人を待つ‥‥本作は”待つこと”についての物語でもあります。(白)
カン・ハヌル演じる主人公に積極的にモーションをかけるカン・ソラ演じる女子がレスリー迷だと聞かされて楽しみにしていた作品です。2022年の初映画に♪
スタッフ日記にレスリー・チャンの出番を中心に物語を紹介しました。さわりだけこちらに!
映画は、2011年の大晦日、ヨンホ(カン・ハヌル)が8年前の春を思い出すところから始まります。それが、2003年4月1日。ヨンホは二浪が決まって、また予備校に。帰り道、ビルの外壁の大画面に、『欲望の翼』の場面が映し出され、脚のない鳥が落ちたと、レスリー・チャン飛び降り自殺のニュースが流れているのを眺めていると、同じく二浪のカン・ソラ演じるスジンが声をかけてきて、「朝まで一緒にいて。レスリーの命日だから覚えていられる」とラブ・ホテルへ・・・
レスリーが好きなスジンとの物語は本筋ではないのですが、こんな形ででも登場するのはファン冥利に尽きます。
そして、大学に進学するのはやめたけれど、初恋の人と文通するうちに自分のやりたいことを見つけてオリジナルの傘を作る職人になったヨンホの物語、とても素敵です。(咲)
2021/韓国/カラー/シネスコ/117分
配給:シンカ
(C)2021 KIDARI ENT, INC., SONY PICTURES ENTERTAINMENT KOREA INC. (BRANCH), AZIT FILM CORP., AZIT PICTURES CORP. ALL RIGHTS RESERVED
https://synca.jp/ametoanata
★2021年12月17日(金)ロードショー
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